2011年6月25日土曜日

トレッビア渓谷

夫の故郷ピアチェンツァは、ミラノからたったの1時間で、丘陵地帯に囲まれた自然の豊かなところです。私も訪れるたびに魅了されています。

ピアチェンツァの街から車で1時間ほど行くと、私たちのお気に入りのトレッビア川のスポットに着きます。イタリアも夏日になり、川で泳ぐのが気持ちいい季節になりました。

さっそく時間を見つけて、ご両親も一緒に出かけてきました。


透きとおる川にはお魚がいっぱいでした!
帰り道
夕暮れ時のトレッビア渓谷・Val Trebbia

2011年6月15日水曜日

野うさぎ発見!

昨日はお天気が良かったので、夕方から自転車で公園に行きました。
ピアチェンツァの街はずれにある、街で一番大きなガッレアーナ公園はとても緑が多く、気持ちよかったです。

青年時代に友達とよく自転車で遊びに来ていたという夫が、帰り際に、「ちょっと公園を回ってから帰ろう」というので、後をついて行ったらなんと野うさぎが飛び出してきました!


こういう野生の動物に偶然出会えるのは、うれしいですね。夫もこの公園で見るのは初めてだと驚いていました。ここには他にもリスなどの野生動物がいるそうです。またいつか会えるかな。


うさぎが出てきたところを見上げると、プルニョーロ(Prugnolo)の木がありました。調べてみると、日本語ではスピノサスモモというそうです。ここピアチェンツァ近辺ではその果実でバルニョリーノ(Bargnolino)というリキュールを作ります。濃い赤紫色で、味は梅酒に近いです。ピアチェンツァ方言ではバルニョレインとなるそうです。夫の実家には、おばあちゃんやお父さんの手作りバルニョリーノがあり、時々ちびちびと食後にいただきます。エミリア・ロマーニャやトスカーナを訪れたら、ぜひお試しあれ~

その先にはアマレーナがありました!さくらんぼの一種ですが、普通に食べるさくらんぼとは違う味で、酸味が強くさっぱりしていて、果汁が多いです。  


アマレーナの木

2011年6月14日火曜日

イタリア、歴史的な一日

イタリアで行われた国民投票の投票率が14年ぶりに50%を超えて、57%で成立しました!!!

これまでずっと20~30%と情けない投票率で不成立が続いていたことを思うと、今回の結果は感動的なものでした。経済はどん底、めちゃくちゃやりたい放題の政治に、ようやく国民が目を覚ましたようです。開票とともに投票率が上がっていくのに、涙が出て鳥肌が立ちました。

問われた4項目は、最初の2項目が水道の民営化など、3つ目は原発の再開、4つ目は現職の首相その他の高位役職者を起訴できないようにする法律の是非について。これらの法律の「廃止」を希望するかしないか、という問いに答える方法だったので、反対を表すには「ノー」ではなく「イエス」を選ぶという、あたかも出来るだけ多くの人が間違えることを目論んだようなやりかたでした。

国民投票の不成立を狙っていた政権は、そのために出来る限りのことを尽くしたと言う感じです。テレビではどのチャンネルも、国民投票があることについてほとんど報道せず、天気予報では日曜日は良い天気が予想されるから海に行きましょうと誘い、日曜日の朝早速投票に行ったナポリターノ大統領のことは全く報道されない・・・という始末。新聞も、投票は無駄だとか、日曜日は家に居ようなどと大見出しで呼びかけるものが何紙もありました。

私たちは普段テレビを見ないので、あまり違和感を感じませんが、こうした事実をインターネットを通して知り驚きました。

そんな中、有権者の6割近くが変化を信じて投票に行き、原発を含む全項目で約95%の反対票(廃止を希望)を投じたという結果は、本当に感動しました。

日本ではまだ二重国籍が認められていないので、私は投票できませんでしたが、投票のために帰っている夫と一緒にこの歴史的な瞬間をイタリアで過ごすことができてうれしかったです。

余談ですが、今朝市役所で作ったイタリアの身分証明証には、記念すべき今日の日付が入りました!

投票会場の小学校

投票成立を喜ぶ人たち、カヴァッリ広場

市役所からの帰り道

2011年6月9日木曜日

にんじんとお花の絨毯


いつも野菜と果物を買っている近所の八百屋さんの、私のお気に入りの葉付きにんじんです。普段はお店で葉っぱの部分を切ってもらうのですが、今回は何となく言い忘れてしまって、あまりに立派でふさふさの葉っぱが美しかったので、写真を撮ってしまいました。

葉っぱを切った時の強く新鮮な香り!にんじんの色も味も、スーパーのものと濃さが違います。そしてお隣にあるのは、大粒のさくらんぼ。これもまた美しかったので、買いました。これで1ユーロ80セントなり。イタリアよりもさらに安い感じがします。日本の果物の値段は、こっちの人は到底信じられないだろうなぁ。

だから、こちらでは果物を一回に食べる量が違います。私が日本で育った感覚だと、果物をひとつ切って家族みんなで食べる。足りなければもうひとつ剥く。ここでは、りんごでもオレンジでも一人ひとつは普通です。新鮮な野菜や果物が豊富な環境をありがたく思い、毎日野菜いっぱいの生活を心がけています。


残念ながら写真ではあまり良く見えませんが、家の近くの道が、紫と黄色のお花でいっぱいになっていました。少し前から、この紫のお花の木を街でよく見かけて、きれいだなぁと思っていました。


こんなお花ですが、何の木でしょうか。ご存知の方いましたら、ぜひコメントください!

2011年6月5日日曜日

気球初体験!!

今朝は5時起きで、バルセロナからジローナ方面に向かって40キロほどの小さな町Cardedeuに行き、生まれて初めて気球に乗ってきました!

実は結婚のお祝いでいただいたプレゼントで、4月にもトライしたのですが、直前の天候不良で当日の朝キャンセルになってしまった経緯があり、今回は2度目の挑戦で、晴れて実現しました。

6時15分にカタルーニャ広場に集合、時間ぴったりにピックアップに来たBallooning.esのジープに他2人と一緒に乗り込み出発。約40分でCardedeuに到着、町のバールで2度目の朝食。ここには自分の車で来た人たちが集まっていました。再度ジープに乗って気球の離陸地へ。

着くとすでに気球の準備が整っており、私たちの到着とともに気球を膨らませ始めて、20分後には3つの気球に8人ずつ乗っていよいよ出発!離陸もその後の飛行もとてもやわらかで、ごうごうと時々気球に火を吹き込む音がしない時は本当に静かでした。

1時間の飛行が終わって着陸すると、無線連絡でジープが到着。みんなで楽しく気球の解体などを手伝い、ジープで離陸地に戻ると、サプライズの乾杯が待っていました。ロゼのスパークリングワインとビキニ(チーズ入りトースト)で乾杯!そしてサプライズは・・・なんとトーストを、気球に吹き込む火で気球のパイロットがその場で焼いてくれたのでした!これにはびっくり。

ちなみにお値段は、2人から7人の参加で一人150ユーロ。バルセロナからの送迎はプラス20ユーロ。バルセロナ旅行の際には、ちょっと変わった気球飛行はいかがでしょうか。
以下、写真です。

まず扇風機で、その後火を吹き込んで膨らませます


飛行中の眺め


気球の火でトースト!!

おまけ

2011年6月2日木曜日

バスでトゥールーズへ

先週の27、28日と、夫が所属するバルセロナの合唱団「オルフェオ・カタラ」のトゥールーズ公演があり、ブラームスのレクイエムを聴きに、合唱団のバスに便乗して行って来ました。

朝9時にバルセロナを出発、とはいってもスペインもイタリアと似ていて、まぁ予定通りにいかないのは日常茶飯事。この日も2台のバスに分かれて乗った団員約80名の確認が終わって実際に出発したのは9時20分ごろ。私は地図を眺めるのが大好きなのですが、予想していたとおり、海沿いを北上してフランスに向かい、国境を越えてナルボンヌまで行き、そこから内陸部に入ってトゥールーズに到着しました。正味4時間半ですね。途中スペインで休憩30分、フランスで1回お昼休憩があったので、思ったよりも楽でした。

車窓から(フランス)

トゥールーズは初めてだったので、夫が連日リハーサルに励むなか、私はせっせと主要な教会や美術館などを訪れ、出発前夜に即席で見所を調べた甲斐もあり、4日間気持ちよく歩き回ることができました。

ガロンヌ川にかかるポン・ヌフ
市庁舎とキャピトル広場
奥に見えるのはサン・セルナン聖堂の鐘
コンサート会場 Halle aux grains



この会場は六角形で、ホールのデザインとしてはとても斬新的で興味深いのですが、残念ながら響きがあまり良くなかったです。モダンのフルオーケストラと80人の混声合唱団を目の前で聴いているのに、音楽的にフォルテのところでもボリュームが小さい感じがして、視覚と聴覚のズレが微妙でした。それは、後日カタルーニャ音楽堂で行われたバルセロナ公演を聴いてさらに実感しました。同じ曲とは思えないくらいダイナミックで、合唱団のドイツ語の子音もクリアに良く聞こえて、びっくりしました。しかもカタルーニャ音楽堂では、自慢ではありませんが私は2階席の最後列の舞台から一番離れたところから聴いて、です。これにはカタルーニャ音楽堂のすごさを改めて痛感しました。

2009年3月19日木曜日

<イタリア便り13>私の好きなピアニスト

イタリアで初めてAndras Schiffのピアノリサイタルを聴いて以来、都合の許す限り、ミラノの彼のリサイタルには足を運んでいます。

初めて聴いたときのプログラムは、確かバッハのパルティータ全曲で、本当に感動して帰ってきたのを覚えています。 ピアノでのバッハの演奏がこんなに自然で、力強く、知的で色彩豊かで、あぁ、 目指すバッハの音楽は同じで、楽器が違っても、その音楽を表現する方法が変わるだけなんだ!と、強く思ったものです。

その後、フランス組曲全曲リサイタルを聴きに行き、今回は、モーツァルト・プロジェクトということで、全3回の演奏会のうち、初めと最後を聴くことが出来ました。

第一回 2月23日
Sonata K331, Rondo K485, Adagio K540, Nove variazioni su un Minuetto di Duport K573, Sonata K545, Sonata K310


第三回 3月9日
Fantasia K475, Sonata K533, Sonata K576, Rondo K511, Sonata K457


初回の第一曲目が始まったときの感動は、今でも忘れません。あの和音の推移があまりに美しくて、目がうるっとしてしまいました。彼の演奏でいつも驚くのは、ピアノの可能性を最大限に出し、これほどまでに美しく様々な音色を出せることです。楽器の完全支配と言ったらいいのでしょうか、ペダルの微妙な使い方にしても、目と耳を疑ってしまうほどでした。(このようになるまでには、どれほどの準備をしたことかと思いをはせつつ、この魔法のようなペダル使いはいったいどうしているのかと、目を見張って一生懸命に足元を見てみたのですが、無駄でした(笑)

魔法といえば、演奏全体も魔法のようで、低めの椅子に座って、両手を鍵盤の上に置くと、彼の音楽が流れ出てくるような感覚でした。会場のミラノ国立音楽院のSala Verdiは、1580席のとても大きなホールですが、そこで思いっきり落として、舞台のピアノの場所だけにほんわりと当てた照明も、 親近感がありとてもよかったです。 彼の大変落ち着いた雰囲気には、時として、お家で弾いているのを近くで聴いているかのような錯覚に陥り、同時に1000人以上の聴衆と共に聴いているとは、とても信じられませんでした。それだけ音楽に集中させられるというのは、本当にすごいことです。また、次のリサイタルを心待ちにしています。

2009年3月5日木曜日

<イタリア便り12> パラッツォ・クレーリチ

3月になりました。音楽院は中間試験期間中で、4時間の楽曲分析の試験を無事終えたところです。私の部屋には小さなお雛様を飾り、外は、なんとなく春の匂いがするような気がします。食卓には、数日前から日本に一時帰国している友人一家にいただいたポピーが元気に咲いています。

今日は、18世紀の宮殿でフォルテピアノを弾いたときのことを、忘れないうちに書いておきます。ミラノの中心部に位置するこのPalazzo Clerici(クレーリチ宮殿)は、18世紀初頭の建築で、タペストリーの間にはティエポロのフレスコ画があります。




18世紀の宮殿の大広間という、この上ない贅沢な空間で、初めて楽器を触れたときの驚きは、とても新鮮でした。もちろん、当日の楽器を使ってのリハーサルは、違う場所で何度か行いましたが、場所が変わると楽器の音も信じられないくらい変わり、無理しなくてもパーンと飛んでいく音にはびっくりしました。とても感動的でした。

使用楽器は、1790年代のドゥルケンのコピーで、すべての音にそれぞれ2本ずつの弦があるのですが、それだとどうしても高音が弱く、クリアでないのです。(そのすぐ後の、ヴァルターなどは、高音域に3本の弦を張るようになります)そのため、高音域と低音域のバランスをとるのが難しかったのですが、当日の演奏会場では、見事に高音が響きました。やはり、こういう場所で弾くために作られた楽器なのだなぁと、心から思いました。





そしてなんと、1771年にはイタリア旅行中であったモーツァルトが、この宮殿に立ち寄っています。かなり前に読みたいと思って購入した「モーツァルトのイタリア旅行」という本( I viaggidi Mozart in Italia, Rudolph Angermuller) が本棚にあったのを思い出し、そのときのことが書いてあるかもしれないと思い、取り出してみたのですが、特にパラッツォ・クレーリチについての記述は、残念ながらありませんでした。

過去にモーツァルトが居た空間で、再び彼の音楽を鳴らすというのは、言葉で表せないくらい感動的でした。こうして、ますます日本に帰れなくなってしまうのです・・・。