2013年11月30日土曜日

トルデラまでの車窓から


昨日は、トルデラまで電車で行ってきました。あいにく国鉄のストの日に重なり、情報収集など手間取りましたが、結局私が乗った電車は、行きも帰りも影響を受けずに助かりました。

フランスに向かって海岸沿いをずっと走り、内陸に入ったのは、1時間半のうち最後の15分だけでした。



時々、本当にすぐ近くに海が迫ってくるようで、見ていて飽きませんでした。本も少しは読みましたが、それは夜で何も見えない帰り道にとっておいて、暖かい日が差す窓の近くで、ぼーっと景色を眺めていました。


駅から15分ほど歩く途中で、こんな景色に出会いました。見えているのがトルデラの町です。 



トルデラ川の向こうには山が見えました。


学校のバルがリニューアルオープンしていました!電車は1時間に1本しかなく、少し早めに着いたのでコルタードにお砂糖を入れて一服。昨日は3人お休みだったので、途中でもう一度行きました(笑)

来週は祝日でお休み。再来週には3ヶ月に一度の発表会とコンサートがあります♪



2013年11月23日土曜日

ピアノの先生2回目

Teatre Clavé

昨日は2回目。写真を撮る余裕もあったので、今日は写真入りです。(1回目の様子はこちら
学校があるTorderaの人口は約1万6千人、標高はたったの30数メートルなのに、バルセロナより明らかに空気が冷たいです。

クラベ劇場という名前の学校は、音楽以外にダンスや演劇のコースがあります。現在、第9回「乳幼児のための国際舞台芸術フェスティバル」!の開催中で、この小さな町の劇場でも公演があります。パラパラとパンフレットをめくると、バルセロナを含むカタルーニャ各地の劇場で、カタルーニャやスペインはもちろん、ベルギー、デンマーク、イギリスからの参加があり、0歳から5歳が対象の様々な舞台芸術が展開されています。すごいなぁ。

さて、2回目のピアノレッスンも無事に終わりましたが、いろいろありました。

ある女の子は、教室に入るなり小さなリュックから何かを出して、「ボカディリォ(サンドイッチ)食べるの」と言って、食べ始めました。「食べてもいい?」とかだったら止めることもできたかもしれないけど、いきなりの展開に戸惑う私。学校の規則も聞いてないし、その子に特別な健康上の理由があるかもしれないし、とにかく判断に困って、楽器が汚れないように配慮して、なるべく早く食べ終わるように促して、待ちました。

食べてる間、今日はヘ音記号を習ったことなどを教えてくれました。やっとレッスンにこぎ着けたのですが、いきなり「これを2回弾いたら(記号を)黒板に書いていい?」と聞かれて、これまたびっくり(笑)まぁ、音楽に関係することだしと思って、いいよと言うと、ちゃんと2回弾いてから、嬉々としてト音記号とヘ音記号を書いていました。レッスンが終わってからもまた書いてました(笑)書きたくてしょうがなかったのね。ちゃんと自分から消して帰りました。


帰り道にサンドイッチの話をして、どのように対応したらいいか聞くと、やはり教室内で食べるのは禁止。レッスンの前か後に食べるように言って、どうしても食べるなら教室の外で食べるようにとのことでした。納得です。「とりあえず君の判断は正しかったよ」と言われたのでよかったです。

日本や日本人相手だったら考えられないような展開に毎回びっくりさせられますが、何事も経験ですね。面白いです。日本でもこんな経験あります!という方、興味あるのでぜひコメントください!

昨日は2人お休みだったので(というか、来なかったので^^;)、楽譜を見たり、学校内を見たりしました。やはりメトードローズが気になって、スペイン語版を見てみました。



なんと一番最初に、スピネットとチェンバロとフォルテピアノの解説があるのです!!これは運命だったのか、何ともいえないうれしい気持ちになって、写真を撮ってしまいました。

2013年11月16日土曜日

8人の生徒さん♪

11月も半ばになり、バルセロナもいよいよ冬を感じる冷たい空気になってきました。
かなり突然だったのですが、毎週金曜日の午後に、郊外の学校でピアノを教えることになり、昨日、第1日目を過ごしてきました!

バルセロナから車で45分ほどの、Torderaという町の学校です。大人と子供と半々の計8人に、30分ずつのレッスンをしました。子供は5歳から11歳まで、大人は60代くらいの方までいました。

当たり前ですが、本当にみなそれぞれ異なり、一番最初の年配の男性は、部屋に入るとまず一通りこんなことしてる、あんなことしてる、とお話してくださったので、丁寧に曲について話を振ってレッスン開始。30分はあっという間だなぁと思っていると、突然「じゃ、今日はこの辺で。次の人も待っているし」と満足そうに言って、パタンと楽譜を閉じてしまったので、私はあっけにとられて時計を見ると、まだ3分前!!でも、おじさんは帰る支度をしているので、そのまま挨拶をしました(笑)

7歳の女の子は、まだ始めたばかり。前のレッスンで弾いた曲を何か持ってるか聞くと、ないと言うので、幼児用の教本を使って、真ん中のドの全音符を4つ数えながら、4回親指で弾くものから始めました。できるようになったら伴奏を付けます。これがまた凝ったハーモニーで、素敵でした。あとから聞けば、この子はまだ家で練習する楽器がないので、とりあえず、今はレッスンでピアノに慣れればいいとのこと。なるほど、のんびりです。

あと印象に残っているのは、5歳の男の子。ノリが悪いと何もできなくて大変、と聞いていたのですが、うれしそうにきれいな楽譜をファイルから出して、ニコニコ!「前のレッスンで弾いたの見せて~」というと、またファイルの中を探しているので何かと思ったら、先生からの連絡事項が書いてあるページを見せてくれて、「新しい本!」と満足げ。確かにメッセージに、本を買うように書いてありました(笑)とりあえず、同じく一番最初の全音符の練習から始めると、けっこう速くどんどんできて、「うまくできたね~」「うわ~すごいきれいな音だねぇ」「好き?」などと話しかけると、大きな目をパッチリ開けて「うん!」とニコニコ笑顔で返してくれて、もう私は幸せでノックアウトでした。

一番最後の男性は恥ずかしそうに、緊張してしまうこと、上手く弾けないこと、ゆっくりしか弾けないから、などいろいろ説明をしてから、不安そうに弾き始めました。半小節ごと止まってしまって、ペダルは最初から一度も踏みかえてないし、どこで止めようかこっちもハラハラ。明らかに曲がレベルに合っていないし、まず本人が辛そうなので、その曲を最後まで弾きたいのか聞いて、そうでなければもう少し苦労が少なく、楽しめる曲にしましょうか、と提案。すんなり納得してもらえたので、何か彼に合った曲を探したいと思います。

30分という短い時間ですが、それぞれにドラマがあり、一人一人のこの30分の意味を考えさせられました。最初のおじさんは、ああして少しお喋りして、ちょっと曲を弾いて、アドヴァイスをもらえればいいのだし、小さい子はいかに30分飽きずに楽しく勉強できるかがポイントのように思われたし、最後の方は、趣味としていかに楽しんでもらえるかを考えたい・・・と切実に思いました。帰りの車中でそう話すと、「そうそう!まさにその通りその通り!!」と言ってもらえたのでとりあえず安心しました。

普段の日常生活では小さい子に接する機会はないので、本当にかわいかったです。そして、私も幼児期に使っていた、懐かしのメトードローズに再会したのも感動的でした!帰宅後、夫に話したら、「メトドローザ!僕も弾いてたよ」と驚きが続きました。

また次の金曜日が楽しみです。次は、一度も笑ってくれなかった真面目な女の子の笑顔が見られるかなぁ。

2013年11月13日水曜日

墨絵教室



今日は、はじめての墨絵教室に行ってきました。
日本人の先生による、全5回の教室です。

久しぶりに持つ筆の感触が懐かしく、墨の濃淡が美しかったです。墨絵についての簡単な説明の後、まず3段階の濃淡の墨を含ませた筆で、まっすぐに縦と横に線をかく練習、次にみかん3つを描いて、最後は魚と葉の練習をしました。 

先生の描くのを見ていると気持ちがすーっとしました。すごく集中したので疲れたけれど、心が静かになったというか、豊かになったというか、落ち着く2時間でした。白い空白の部分「間」が大切であるとか、先生のお話も興味深かったです。


このみかんを見た先生が「友子さんのは、やっぱり日本人らしいですね」とのコメントを頂きました(笑)一応、日本人ですもの!

生徒は12人で日本人は私1人でした。海外にいてもこのような経験ができるのはうれしいことです。ちゃんと宿題ももらったし、また来週の教室が楽しみです!


2013年11月11日月曜日

元気をもらった演劇


昨日は、最近知り合った歌手の友達が出ていた、女性ボーカルトリオLes Cotによる演劇を観て来ました。スタンダードジャズとオリジナルソングなど、たくさんの歌が入った、ミュージカル仕立てで、ピアノの生伴奏も素晴らしかったです!

伴奏というより、ピアノが劇の場面の流れを作っているというか、3人が歌っている時は伴奏ですが、間合いなど、絶妙のタイミングで、音でその時の場面を表現していて、本当によく出来ていました。演奏家も素晴らしかったけど、作った人もすごい才能だと思いました。

Vesus Teatre 入り口
昔、音楽院の学生だった時、音楽史でショスタコーヴィッチを勉強しましたが、彼は若いころ劇場ピアニストをしていたことを思い出しました。その時も、すごい仕事だなぁと漠然と感じましたが、昨日それを実際に見て聴くことができて、感動しました。

3重唱のハーモニーが心地よく、音楽も踊りも、演劇も、コレオグラフィーも本当に素晴らしかったです。約1ヶ月あった公演の最終日でしたが、満員のところなんとかチケットを手に入れることができてラッキーでした。

ポジティヴな刺激をたっぷり受けて、ちょっと沈んでいた気持ちがパッと晴れて、すがすがしい気持ちになりました!芸術の力ってすごい。

愛のクッキー

劇の中心のBabetレストランでは、怒りのOO、寒~いOO、飽きるOOなど、いろいろなレシピが出てくるのですが、愛のクッキーというのもあって、それを混ぜ合わせるシーンや、クッキーを焼くいい匂いが場内に立ち込めて、リアルでした。

最終場面ではクッキーが観客に配られるという、びっくりのハッピーエンド!終演後にはクッキー販売もあり、いやはや企画からプロダクションから、本当によく考えられていて関心しました。あれは買いたくなりますね。クッキー会社の特別協力です。なるほどなるほど。

劇場に向かう途中で見た夕焼け
今週から、毎週金曜日に郊外の学校でピアノを教えることになりました!いきなり生徒8人、大人と子ども半々の初心者レベルだそうです。頑張るぞ~!

2013年11月9日土曜日

漫画フェアで見た日本文化


先月31日から今月3日まで開催された第19回バルセロナ漫画フェア。私は日本食レストランのお手伝いで、午後に5時間入っていました。

初日に焼きそばを担当、それからは4日間ひたすら調理済みの麺と野菜をホットプレートで温めながら混ぜる作業をしました。

それにしても連日すごい人!人!人!!お店に並ぶ列が切れることはほとんどなく、ピーク時には本当に焼きそばしか見えませんでした(笑)初日から見事に全身筋肉痛。おかげで前より強くなった気がします。

最終日、いざ出陣!

一緒に働いた人たちは、翻訳家や音楽家、日本語教師など、いろんな日本人が集まり、また新たな出会いがありました。国際結婚されている人も多く、偶然にもイタリア人のパートナーを持つ人が2人いました!最後、会場を離れるのが寂しくて、何度もお店を見に行ってしまったほど愛着の沸いた仕事場でした。

ほとんど写真を撮ったり、フェアを見て回る元気は残っていなかったのですが、最終日はやり遂げた満足感で元気になり、せっかくの機会と思いブラブラしてみました。

フェア中は、まぐろの解体ショーと握り寿司、鉄板焼きなどの実演を見ました。2日間私と一緒に来ていた夫は、いろいろ見て目をつけていたようで、最終日に、高橋留美子と谷口ジローの漫画を購入していました。

バルセロナ着物クラブによる着物試着コーナーでは知人を見つけ、少しおしゃべりしたら、なんと4日間で約600人に着せたというので、びっくり!!和服姿の彼女もさすがにぐったりしてました。フェア入場に2時間、着物試着の列で3時間待った人もいたそうで、ここまで愛される自国の文化を目の当たりにして、とても感慨深かったです。

目が回りそうに広い見本市会場いっぱいに埋め尽くされた、膨大な数の日本の漫画。私は正直、あまり漫画に興味を持ったことがないのですが、海外でこれだけの熱狂的な支持を得るのは、すごいことだと思います。

日常からかけ離れた、不思議な4日間でしたが、良いエネルギーをもらいました。
最後に、日本食レストランBOUZU、バルセロナで日本食が恋しくなったら、ぜひお出かけくださいね!