2014年2月23日日曜日

フォルテピアノの日

左から:エラール(オリジナル)、フリッツ、ワルター2台

昨日は、Esmuc(カタルーニャ高等音楽院)で「フォルテピアノの日」が開催されました。一般公開で、申し込めば誰でも無料で参加できました。

フォルテピアノ科教授のArthur Schoonderwoerd氏による公開レッスン、友人の歌うミニコンサート、カンファレンス各種など盛りだくさんの、充実した一日でした。

ミニコンサートは、シュタイン(1792)モデルのフォルテピアノでC.P.E.バッハの歌曲と、フリッツ(1813)モデルの楽器でシューベルトの歌曲が演奏されました。たった50年しか違わない二人の作曲家の、とても異なる世界を垣間見ることができ、とても素敵な30分でした。

公開レッスン
公開レッスンは、一人15分の短いレッスンでしたが、フォルテピアノに初めて触れる、若いピアノの生徒さんたちに、フォルテピアノの魅力と難しさを発見して実体験してもらう、貴重な機会だったと思います。膝でなく足ペダルを使う楽器では、まず靴を脱ぐところからレッスンが始まります!

2014-2015年にEsmucで新設されるフォルテピアノ入門コースに先立って、ピアニスト、ピアノの生徒、ピアノの教師・教員を対象に、フォルテピアノを知ってもらうのが目的でしたが、100人もの人が集まり、モダンピアノを含む計6台のフォルテピアノの音色を聴いて、触れることができたのは、素晴らしい企画だったと思います。

私にとっても大変有益で、楽しい一日となりました。いろいろヒントも得られました!バルセロナのフォルテピアノ製作家Paul Poletti氏のカンファレンスもとても面白かったです。


2014年2月20日木曜日

2ヶ月ぶりのヨガ


今日は2ヶ月ぶりにヨガに行ってきました!
関節や筋肉を適度に使って気持ちよくストレッチされて、血が巡っていくのがわかりました。
最後の休息のときに、使った場所、とくに背中上部がポーっと温かかったです。

私がしているヨガは呼吸に合わせてゆっくりした動きを繰りかえす、ダイナミックヨガというものですが、自分の体を知る貴重な機会になっています。

関節や筋肉のストレッチや、普段使わない内部の小さな筋肉が目覚めて、呼吸と共に行なう動きは、集中力を高めつつリラックスできます。何も考えないで、今行なっていることのみに集中する訓練は、演奏する時にもすごく役立ちそうです。

毎回、背骨のカーブや肩や腕の位置を再確認させられて、生まれ変わったような気がします。
心地いい筋肉痛が来るかな。


 
昨日は桜を見つけました♪


2014年2月15日土曜日

コレペティ始まりました!

雪の降るなか成田を発ち、マイナス5度のモスクワ乗換えで、春のように暖かいバルセロナに戻ってきました。日中は20度にもなってます。

さて、戻った翌日から、カタルーニャ高等音楽院古楽科のコレペティの仕事が始まりました。1日目は計6時間、2日目はぶっ続けで5時間弾き、まさに時差ぼけを感じる暇も無く過ぎていきました。

歌のレッスンでの伴奏が多く、いろいろな生徒さんがいて面白かったです。ロッシーニなどが専門で、バロックのレッスンに来ていた人は、チェンバロが聞こえないくらいの声量で、ぶったまげました。いかにして言葉のアクセントに合わせるかが、レッスンの焦点でしたが、ある高音域でピアノにするように言われた彼が、「え!どうやってピアノにするんですか?1オクターブ下げるとか?」と言ったのには私が爆笑してしまいました。これは翌日にも突然思い出しては笑いが出ました。

いずれにしても、いろいろなレッスンを見ましたが、先生と生徒が大声でガハガハ笑い合っている場面に何度も遭遇して、すごくいいなぁと思いました。

バッハのガンバソナタの3番を一度合わせて欲しいというのもあり、当日に1時間半さらえるはずの予定が狂って20分になってしまい、猛練習して臨みましたが、生徒の方が弾けていなくて一安心。でも心臓に悪かったです。いやはや。そして片道15分の自転車通勤を2日したら脚が筋肉痛に!日本での運動不足がやばいです・・・もう治りましたが。

そしてたどりついた週末。夫は合唱団の演奏で早朝にリスボンへ発ったので、一人でゆっくり、事務仕事や家事などしつつ、休養したいと思います。

午後、海を見に散歩してきました。今日の海は緑に見えました。ビーチのカフェでコーヒーを飲もうかなと思いましたが、意外に風が強くて寒かったので、家に戻りました。エネルギーを充電して来週も頑張ります!みなさんもよい週末を♪




砂浜が壁のようになっていました




2014年2月2日日曜日

かまがや木楽の家・第3回コンサート


昨日、暖かな光が差し込む中、午後2時より「チェンバロ 名曲のひととき」かまがや木楽の家・第3回コンサートが行なわれました。

バッハ、クープラン、スカルラッティの作品を、お話を交えながら演奏しました。今回、クープランの第6オルドル(全8曲)を演奏した際に、全体の説明の後、1曲ずつタイトルを言ってから弾いてみました。表題のついた作品を、より豊かなイメージとともにお聴きいただきたいという気持ちから、試してみたところ、「とても分かりやすかった」、「タイトルを言ってもらったのが良かった」などの感想をいただき、好評だったようです。

私も演奏会に行って、初めて聞く曲が何曲もずら~っと続くと、そのうちに今何が演奏されているのか分からなくなることがあります。それが、タイトルと音楽が特に強く結びついた作品では、とてももったいないなぁと思うので、試してみてよかったと思います。毎回、いろいろ勉強になります。


チェンバロの構造について、実際にジャックを取り出してお話したり、小さな会場ならではの演奏会になるよう心がけました。地道にチェンバロという楽器を広めていければ、とてもうれしく思います。

終演後もたくさんの方から質問があり、楽器も触っていただいたり、感想を伺ったりと、いろいろな交流ができました。


そして、第5回コンサートの打ち合わせと音出しもしてみました。9月20日(土)、ヴィオラ・ダ・ガンバの品川聖さんをお招きして、バッハのガンバとチェンバロのためのソナタ全3曲を演奏します。すでに何名かご予約もいただきました!どうぞお楽しみに!これからもこのコンサートシリーズ、細く長く続けて行きたいと思います。 第4回は「祈りつつ」、4月13日(日)テノールの長尾譲さんがピアノ伴奏で、フォーレやシューベルトなど歌われます。
 

2014年1月27日月曜日

東京公演終わりました!

26日、おかげさまでHakuju Hallでの演奏会も無事終えることができました。 

リハーサルでは正常だったチェンバロのレジスターが本番で全く動かなくなるという、汗&焦なハプニングもありましたが、ポーカーフェイスで乗り切りました!コンクールで、4フィートが入ったまま曲を弾き始めてしまって、取ってから弾き直したことなどはありますが、さすがにレジスターが動かなかったのは初めてで、すごい経験でした(笑)これもまた経験ということで。

チェンバロは本当に繊細なもので、実家のチェンバロも半年ぶりに弾き出したら、爪がボキボキと見事に折れて、1ヶ月足らずですでに5つ換えました。でも楽器はどんどん鳴るようになって、やっぱり生きているんだなぁと実感しています。楽器は本当は毎日弾いてあげるのが一番ですが、少なくとも帰ってきた時にはこうしてかわいがっています。

演奏会の写真はないので、いただいたお花の写真を。バラの甘い香りにうっとり♪


昨日は、イタリア人カウンターテナーのロベルト・バルコーニ氏のマスタークラスを聴いて来ました。ミラノ留学時代に室内楽などでお世話になった先生で、何年かぶりのうれしい再会でした。そして、レッスンの面白かったこと!自由な語りと音楽。私は歌手ではないですが、本当にイタリアバロックの歌曲が好きなんです。それを改めて感じた幸せな午後でした。

さて今日はチェンバロのピッチを440から415に戻して、調律も変えて、週末のソロプログラムに向けて練習再開しました。体調管理に気をつけて、あと2公演頑張って参ります!



2014年1月9日木曜日

2014年スタート!!




新年おめでとうございます。
健康に恵まれ、平和で実り多い一年となりますよう、お祈り申し上げます。

大晦日に帰国し、新年1日2日は南房総へ家族旅行に行ってきました。
スペインではすぐ2日から仕事始めですが、やっぱり日本のお正月は落ち着きますね~今年はちょうど土日もあり、家族とゆっくりできました。

さて、明日あさっては仕事始め、クープラン講座です!
明後日(土)14時からの講座はまだ余裕があります。下記へご予約のうえ、クープランの名曲を聴きにふらっとお立ち寄りください。

問合せ 桑形 03-5363-1307 または kuwagata@alto.ocn.ne.jp

1月25日、2月1日、8日と演奏会が続きますので、頑張って参ります!
本年もどうぞよろしくお願いいたします。
 

2013年12月29日日曜日

初めてカリヨンを聴きに!

Palau de la Generalitat de Catalunya

コンサート聞き納めで、もう一つ、26日に聞きに行った演奏会がありました!
お昼の12時から、バルセロナ市役所の向かいにある建物で、約1時間のカリヨンの演奏を聴きました。ここのカリヨンの専属の女性カリヨニスタによる演奏は、毎月聴くことができ、26日はクリスマスにちなんだプログラムで、カタルーニャと外国のメロディーを楽しみました。

椅子が並べられた中庭で聴きます

画面で演奏する様子が見られます
オルガンのように手と足を使って、演奏していました。全部で49の鐘があるそうです。打ち方で強弱もつけられるようで、とても音楽的でした。


あまり良くみえませんでしたが、靴下のみの素足のようでした。毎月演奏会があるのは知っていたのですが、今回やっと聴くことができました。来月のプログラムは、バッハのアンナ・マグダレーナ・バッハの音楽帳から組まれているなど、とても興味深いシリーズです。

8月を除いて、毎月1回あり、7月にはバルセロナ国際カリヨンフェスティバルもあるので、またぜひふらっと行ってみたいと思います。



今年のコンサート聞き納め

年末、機会が重なり、素晴らしい演奏会を聞くことができました。

まずは、21日ベルリオーズの「キリストの幼時」。パブロ・ゴンザレス指揮、カタルーニャ州立バルセロナ交響楽団と2つの合唱団による演奏。アウディトーリのパウ・カザルス大ホールにて。
L'Auditori, Sala1 Pau Casals
初めて聴いた作品ですが、メロディーの美しさに感動、オーケストラと合唱の溶け合いと力強さが素晴らしかったです。90分を超えるキリストの物語りが、休憩なしで、フランス語で展開されました。

翌22日は、バルセロナのアントン・ブルックナー室内合唱団と金管オーケストラによる、ブルックナーのホ短調ミサを聞きました。
Església de Nostra Senyora de Pompeia
音楽ホールでは味わえない、教会の響きを堪能しました。ブルックナーは、合唱団で歌っている夫に出会ってから、作品を聴く機会に恵まれて、ブルックナーの声楽曲のファンになりつつあります。このミサ曲も冒頭のキリエが60人の合唱団により大音量で叫ばれただけで、その和声と人の声の持つエネルギーに、目頭が熱くなりました。音楽のパワーってすごい。まさに私のドラッグです。

教会の響きが加わって、信じられないほどの迫力に圧倒され、全身にガンガン音楽が響いて、手には振動が伝わってきました。その力強さと繊細なピアノの強弱のコントラストにもぐっときました。ブルックナーの作品と素晴らしい演奏の合唱団に、完全にやられました。

そして26日は、Sant Esteveの休日。夫の歌うオルフェオ・カタラ合唱団は、毎年この日にカタルーニャ音楽堂でSant Esteveのコンサートをしています。クリスマスはイタリアに帰っていたためいつも参加できなかった夫ですが、今年は初めての参加となりました。


Palau de la Música Catalana

1913年から続くコンサートの100周年だった今年は、オルフェオ・カタラ合唱団を中心に、俳優さん2人が曲間に会話を挟み、カタルーニャの歴史などをリズミカルに語っていたようです。オルフェオ・カタラ合唱団は、5歳くらいの小さな子供から少女合唱団など、全部で6種類の合唱団があり、さらにカタルーニャ音楽堂の室内合唱団が加わり、ものすごい数の合唱でした。

プログラムは主にカタルーニャの作品で、100周年もあり、祭典のような華やかさと、カタルーニャ州民の熱い思いが伝わってくる、いろいろな意味で感動的な演奏会でした。

プログラム最後に歌われたパウ・カザルスのグロリアの歌詞が心に残ったので、ここに書きます。

主に栄光を!歌おう!
高みの中の栄光!
主と全ての創造物に栄光を!
土に平和を!
戦争はもう二度といらない!
罪はもういらない!
善人に平和を!
平和を!

今年もたらされた新たな出会いに感謝しつつ、平和と健康に恵まれた2014年でありますように。よいお年を!