2017年8月23日水曜日

助産師のインマ

本人に快諾をもらったので、今回の自宅出産をお願いした助産師さんインマについて書きたいと思います。

インマはバルセロナ出身で2児の母、2人とも自宅で産んでいます。イギリスで助産師の勉強をし、その後イギリスの病院で働き約300のお産に立会い、現在はバルセロナでフリーの助産師として自宅出産に立ち会っています。バルセロナとその近郊ではこれまでに約200のお産に立ち会ったそうです。

初めて夫と一緒に彼女に会いに行ったとき、2時間みっちりいろいろ話したあと、「助産師選びはあの人が良いって言ってたからとか頭で考えるんじゃなくて、心に聞いてこれって思える人を。今日家に帰ってからゆっくり決めてもらえばいいから」といわれたのが印象的でした。帰宅後、夫も私も彼女にお願いしたいと思いました。

インマのことは、診療所や病院に勤める助産師さんの間でも知っている人が多く、「インマとなら安心ね」と太鼓判を押されました(笑)診療所の出産準備クラスを担当していた助産師さんは、彼女の講習を受けたことがあると話してくれました。

自宅出産を手がける他の助産師さんから、チームを組んで一緒に働かないかと言われることがあるそうですが、彼女自身が出産したときに、2人以上の助産師ではなく、1人に付き添ってもらいたいと思ったことが、一人で働いている理由だそうです。もちろん、人によって2-3人に付き添ってもらうほうが安心の人もいるでしょうし、1人のほうが親密感があって落ち着くという人もいるでしょう。

彼女の仕事がすごいなーと思うのは、まずお産はいつになるか分からないというところ。私など自分ひとりのお産だけでも、いつになるか分からずソワソワ落ち着かないのに、それが仕事だったらと思うと、よほどどっしり構えてないと出来ないだろうなぁと思います。確かに契約書には、お産が2件同じ日に重なってしまったり何らかの状況でどうしても立会えないときには、他の助産師を手配すると書いてありました。お互いに、そのように助け合っている助産師さんがいるようです。

これまでの彼女とのセッションでは、予定していた当日の朝5時台に、今出産に立会っているから違う日に会いましょう、とメッセージが入ったことが2回ありました。病院のように時間で交代もないし、日にちも時間も決まっていない。それぞれの赤ちゃんが「今」と決めたときが彼女の仕事時間。なんでも手帳に予定を入れて、予定通りに物事をこなしていくことに慣れた私たちにはちょっと想像がつかない壮大な仕事だなぁと思いました。

今彼女は夏季のため、車で1時間半ほどのピレネーの山の方にいて、必要なときだけバルセロナに来るのですが、面白いなぁと思ったのは、いつバルセロナにいるよと連絡をくれるのです。彼女の経験によると、そう伝えておくと安心するのか、偶然その日に出産になったりすることがあるらしいのです。

先週、バルセロナでテロのあった日は、バルセロナへの交通アクセスが遮断されたため、「今日はバルセロナに行けないから、お願い、出産しないでね~」とメッセージがありました。その数日後には、「今ひとつお産が終わったところで、長~い時間寝ていないので、今夜はゆっくり寝られたらうれしいです。トモコの赤ちゃん寝させてくれるかな。そうしたらまた元気に立会えます。8月に出産予定の人はあとトモコだけになったのでいつでも。」とメッセージがありました。

私はそんなメッセージを受け取ると、お腹の赤ちゃんに説明して、今日はまだゆっくりしててね~とか、今日はインマが寝られるように、私たちもゆっくり寝ようね~など、話しかけました。

これまでのセッションでは、妊娠中やお産中に起こりうる危険を含めた全てを、インマと夫と3人で細かく確認し、緊急時の対応などもしっかり復習して準備できました。

女性としてもプロフェッショナルとしても、とても尊敬し信頼できる彼女とのお産が楽しみです。

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