昨日は、バルセロナのAuditori大ホールで、イタリアのバロックオーケストラIl Giardino Armonicoの演奏会を聴いてきました。
私がイタリアに留学したころ、日本で彼らのCDを聴いて、あの自由奔走な楽しい音楽に惹きこまれ、またミラノでは何度か演奏会を聴きに行ったのが懐かしく思い出されました。
留学中はそういう、いかにもイタリア的な、自由奔走でめちゃくちゃ楽しい古楽演奏にたくさん触れていたので、それが好きか嫌いか、良いか悪いか、などは別として、「音楽は楽しいもの」ということは私の中で確かなものになりました。そして、演奏者自身がステージで楽しんでいなければならない、ということも。
昨日もそのスタイルで、オーバーなパフォーマンスと楽しい演奏でした。でも、久しぶりにイタリア的なるものに接して、改めて、イタリア人だなぁと思いました。ちょっと気障だなぁとも。ちょっとやり過ぎ感があったけど、それは個人的な趣味として、いろいろな感想があると思うし、別にいいのです。
そして思ったのは、やりすぎくらいな楽しい音楽にたくさん触れておいてよかったなぁということです。どんな表現でも、自分が思った以上にやらないと、なかなか聴衆まで伝わらないのですが、オーバーなら取ればいいのですが、その逆ってものすごく大変なことなんです。
どこまでリスクを犯して、よりスリリングで楽しいものにするか、ってすごく難しい課題だと思います。もちろん、そういう性格の曲の場合の話ですが、ユーモアとか遊び心、スリリングなどきどき感とかって、「もっともっと」って言われて突然にはできないんですよね。
その辺は、日本の「とにかく間違えたらいけない」教育がマイナスに影響しているような気がします。その恐怖感で、すごく萎縮しちゃいます。こっちでレッスンしてもらったみたいに「もっと間違えていいから、もっとオーバーに、思いっきり弾くように」。私もそういうレッスンしてみたいなぁ。今日はなんだか音楽のつぶやきになりました。
久しぶりにコモ時代の先生や友人にも会えて、充実の夜でした。