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2017年5月22日月曜日

テレマンシリーズ最終回を終えて


昨日は古楽科の演奏会シリーズ「テレマンとカフェ」全5回の最終回でした。
学校の15周年記念の回でもあり、テレマンの作品TWV15を取り上げました。

この15:1には、オラトリオとセレナータがあり、テレマンがハンブルク時代、毎年開催されていた軍の晩餐会用に作曲した作品の集まりです。ハンブルクを讃え平安を祈るような歌詞も多くみられます。

今回はオラトリオから2曲のアリア、セレナータから5曲のアリアを4人の学生が歌い、他5人の学生による器楽アンサンブルと私のチェンバロで演奏しました。アリアの間にはテレマンの組曲ト短調を各所に挟みました。この組曲はテレマンが同じくハンブルク時代に隔週で出版していた音楽雑誌「忠実な楽長」(1728年)の中にあります。

テレマンはビジネスにも長けていたようで、なるべく多く購入してもらえるように、一つの作品も全楽章をまとめずに少しずつ出したため、この本にはいろんな曲がばらばらに詰まっています!


実はたったの2週間前に、この演奏会を任されることになり。。。それから学生たちはアリアを選び、私は楽譜の準備からリハーサル調整など、9人の学生相手に大焦りとなりました。自分の練習はさることながら、プログラム順を決めたり、学校や会場の博物館とのやりとりもあり、演奏会で話すコメントが仕上がったのは当日の早朝でした(汗)

すでに埋まっていたスケジュールに加え、この2週間は学校の伴奏も週30時間に達し、週末も返上でした。来週末も卒業試験などがあるので、あと少し。。。

シリーズ最後で15週記念という大きな行事を、何とか無事に終えることができてほっとしています。




終演後みんないい顔だったので、私もうれしかったです。知らなかった作品に出会い、私にとっても大変勉強になりました。指揮者の位置から、楽器を弾きながら演奏をリードする、いわゆる「弾き振り」も貴重な体験になりました。

日本での演奏会とレコーディングから戻った翌日からこんなリズムだったので、最近こちらの更新もゆっくりになっておりますが、どうかお付き合いください。書きたいことはたくさんあるので、また書きます!

さて、明日からは2日間、来月初旬のレコーディングのリハーサルです!



2017年1月29日日曜日

子供のためのバロック

今日はバルセロナ郊外のLlinars del Vallesという町で、子供のためのバロック演奏会へ行って来ました。


今日の聴衆は1歳くらいから8歳くらいと、かなり年齢に幅がありましたが、その親御さんたちも一緒に、30分間とても集中していた感じが伝わってきました。


2年前にできたばかりの新しいホール。外は山に囲まれ、空気がきれいでした。


楽屋のおもてなしもバッチリ。飴とホールの名前入りマグネットまでありました!

そしてもう一つ今日のびっくりは、電車を降りてから町の広場でとった朝食。


その場で作ってもらったボカータ(サンドイッチ)とクロワッサン、たっぷり注がれたミルクコーヒーの美味しかったこと。サラミ入りボカータのパンとオリーブオイルのクオリティーが素晴らしかった!

そしてお値段なんと3,6ユーロ!!一瞬耳を疑いました。


なんだかびっくりなうれしい一日のスタートになりました。


2016年10月31日月曜日

ナポリからバルセロナにやってきたチェロ奏者スプリアーニ

10月も今日でおしまいですね。昨日から冬時間になり、一気に日が短くなりました。
今月は新しいCDがリリースされ、月末にはスペインの3都市にて紹介演奏をしてきました。


Sala Atrium, Barcelona 2016.10.22

私も全く知らなかったイタリア人作曲家でチェリストのフランチェスコ・スプリアーニについて、CD冊子を参考に少しご紹介します。

まず彼の名前は、昔の手稿譜に4通りの表記がありややこしいのですが、その中で一番多く出てくる名前を選びました。1678年、南イタリアのバーリに近いConversanoに生まれ、その後ナポリで学びソプラノのマルゲリータ・メンケレッリと結婚、1708年から2年間バルセロナでカール6世のもと、レアル・カピッリャ楽団の第1チェロ奏者を勤めます。

時代はスペイン継承戦争まっ只中で、イタリア人音楽家と契約することは、カール6世のイタリアオペラ趣味に合うだけではなく、戦争相手フェリペ5世(ルイ14世の孫)に対抗する政略でもありました。

1710年にナポリに戻ってからは、1730年までレアル・カッペッラ楽団で、楽団長だったアレッサンドロ・スカルラッティなど当時を代表する作曲家と音楽を共にします。その後はリタイアし、1753年にナポリで没す。


Real Academia, Madrid 2016.10.25




Real Academia, Madrid

スプリアーニは史上初となるチェロ教本(Principij da imparare à suonare il Violincello)を書き、その中には12のチェロのためのトッカータがあります。トッカータという名前がチェロ作品に使われるのは他に例がなく、また、全トッカータにはスプリアーノ自身の手により、トッカータのディミニューションと通奏低音バスが後から付け加えられているのが興味深いです。

コレッリのヴァイオリンソナタ作品5のように、3行の5線譜に上からトッカータ旋律、ディミニューション、通奏低音バスが書かれています。



スプリアーニの作品だけを集めたCDはこれまでになく、今回の録音では、上述の12のトッカータから6曲、現在唯一残る器楽曲としてシンフォニアとソナタ、そしてカンタータ3曲を納めました。この企画を何年も前から温めていたという友人チェリストのGuillermo Turinaが手稿譜を求めてロンドンやナポリの国立図書館へ自ら足を運んで準備してきた深い情熱が、彼の紡ぐ音楽から伝わってきます。

こうして彼のプロジェクトに参加できたこと、そしてCDの完成をとてもうれしく思っています。世界初の録音となるカンタータ3曲とソナタなど、知られざる作品の数々を多くの方にお聴きいただければ幸いです。iTunesやアマゾンから、また日本での演奏会の機にはCDをご用意いたします。




2016年10月18日火曜日

ポルトガルでのコンサート


先週末はポルトガル、ポルトの近くの田舎町サント・ティルソでコンサートでした。


できたらオルガン2台を使ってほしいという要望にお答えして、Klop作のポジティヴオルガンで通奏低音を、そしてもう少し大きなオルガン(写真左)でスカルラッティのソナタを演奏しました。


天井も床も木目が美しく、とても響きの良い空間でした。
住民2万人の小さな町で、開演直前には雨が降り出したにもかかわらず、どこから集まったのかと思うほどに教会はお客さまでいっぱいになり、私たちのことなど全く知らないであろう人たちが演奏を聴きに来てくれたと思うと、とてもうれしかったです。


終演後には、子供たちがプログラムを持って、サインをしてほしいと来てくれたのが印象的でした。こういうときには、漢字でサインしています。みな興味津々で喜んでいました。

そして、教会の隣の牧師さんのお宅で、ポートワインと軽食をいただきながらお喋りが弾み、お開きになったのは0時過ぎでした。初めての土地で、初めて会う人たちの温かいおもてなしが心に沁みました。

ポルトガル語はなんとなく読めても、会話はほぼ全く分かりませんでした。発音はスペイン語とすごく違うんだなぁと思いました。



リハーサル前に少し町をぶらぶら。
昼食には赤でも白でもない、緑ワインと呼ばれる若い白ワインとともに、名物の鱈料理を楽しみました。

この辺りは雨が多いそうで、滞在中もほとんど太陽は出ていませんでしたが、一瞬日が差すこともありました



ポルトガルとスペインとの間に1時間の時差があるとは知らず、夜9時開演はスペイン時間の夜10時になり、かなり時差を感じました。いやはや何事も体験ですね。とりあえず無事に終わって良かったです。



2016年2月28日日曜日

ランチタイムコンサート@バーミンガム


去る金曜日は、バーミンガム大学のバーバー芸術センターにてランチタイムコンサートに出演しました。

風邪を引いてしまい、前日は大事をとって学校の仕事は休んだのですが、結局滞在中、本番以外はホテルに篭っているという、冴えない滞在となってしまいました。

でもコンサート中は咳も出ず、なんとか無事に演奏できました。それでもハプニングはありました。開演直前に調律していた人から、弦が切れたと聞き、さらに替え弦はなく、しょうがないのでそのままで使用することに!私は必死ですべての楽譜を眺めて、どこでその音が出てくるか確認、自分のソロの1楽章はすべて上段で弾く、速い楽章の通奏低音は気にしないで弾く、遅い楽章はなるべくその部分だけ上段に行くなど手段を決めました。

でもあまりに直前すぎて、鉛筆も持ち合わせず、楽屋まで取りに行く時間もなく、本当に焦りました。いずれにしても、終わりよければすべてよしということにしたいと思います。


ホール入り口のロビー、奥はアートギャラリー
大学の敷地内はきれいでした。




バーミンガムの街はちょっと期待はずれな景観でしたが、一番の目的を無事に果たせたので、よかったとします。本番の日の夜には、タウンホールでThe English Concertによるヘンデルのオルランドを聴きに行くつもりでチケットも買ってあったのですが、体調すぐれず諦めました。残念です。


こちらが行けなかったタウンホール。翌朝少し体力が復活したので、ホテルから駅に向かう途中寄り道をして、少しだけ街中心部を見ることができました。


2015年12月31日木曜日

明けましておめでとうございます

2016年あけました!
今年もどうぞよろしくお願いいたします。

年末は26日にスペインで年内最後の演奏会があり、29日から帰国しています。

大晦日は、1月4日の演奏会のため、池袋でリハーサルでした。


マレとサンマルティーニのトリオソナタのほか、コレッリ、ベッリンツァーニの作品など、美しく華麗な作品たちがいっぱいです。

4日のニューイヤーコンサートは2回公演で、12時と15時開演です。
どちらもまだお席がありますので、どうぞお運びください♪

本年もみなさまにとって健康に恵まれ、充実した一年となりますよう、お祈り申し上げます。




2015年11月30日月曜日

11月の演奏会備忘録


Sant Couperin@Museu de la Música

今月10日は、フランソワ・クープランの生誕記念コンサートに参加しました。彼はちょうど1668年の11月10日にパリで生まれました。楽器博物館の鍵盤楽器の間で、オリジナル楽器に囲まれ演奏しました。あいにく、使用したチェンバロは学校から運んだものですが。私はトリオソナタ「パルナッス山もしくはコレッリ賛(1724)」と、組曲集から「神聖ローマ帝国の人々(1726)」を演奏しました。


Concertino@Teatre Clavé

14日には、バルセロナから車で1時間の町トルデラの劇場で幼児のためのバロックコンサートでした。1歳から4歳が対象でしたが、それより小さい赤ちゃんや大きな子もいました。ホールの舞台のみ使用して、お客さんもみな舞台上で聴く形でした。小さい子が私たちの演奏空間に入ってきてもOK、そのまま演奏するようにという指示でしたが、誰も来ませんでした(笑)観客の中にいた母曰く、どうしても親が止めてしまうようです。30分間自由に音楽と過ごせばよいというコンセプトで、子供に静かにするよう「しー」としたりしない、動いてもOK、というような短い説明がありました。興味深い経験になりました。

La Glòria dels Concerts Barrocs@El Maldà
22日は、バルセロナ市内にある18世紀の館で演奏しました。マルダ男爵として知られていたRafael de Amat y de Cortadaという人の館だそうです。10人のヴァイオリン他豪華アンサンブルで、ヴィヴァルディのヴァイオリン協奏曲2曲、テレマンのヴァイオリン協奏曲、バッハのチェンバロ協奏曲を演奏しました。チェンバロ協奏曲は、10年前に仕上げた時に比べて明らかに持ちうる時間と体力が減り、学生だったころが懐かしく羨ましく思えた反面、これまでに学んできたことを生かし、若い学生たちに応援されながら、感慨深い経験になりました。


2015年7月25日土曜日

リコーダーとチェンバロの饗宴


2ヶ月ぶりの更新になってしまいましたが、今月、無事に7つのプログラムを弾き終え火曜日に帰国、そして今日はかまがや木楽の家第6回コンサート「リコーダーとチェンバロの饗宴」でした。

暑い中、多くの方にお運びいただき、ルネッサンスからバロックのリコーダー作品をお聴きいただきました。チェンバロソロは、私の好きな哀歌で始まる、フローベルガーの組曲ハ長調を演奏しました。



本日お迎えしたお二人と出会ったのは、もう15年以上前、私がミラノに留学したときです。それから時を経て、今日このようにご一緒できたのはとてもうれしかったです。

お越しいただきました皆さま、そしてご声援いただいた方々、スタッフ関係者さま、どうもありがとうございました。




リハーサル風景(おまけ)

明日は一日楽器はお休み、そして月曜日からは次の演奏会の準備に入ります!
次は8月8日(土)、ルイエのリコーダーソナタ全曲演奏会シリーズ第6回へ出演します。まだお席はありますので、興味のある方はご連絡ください。

それでは皆さまも夏バテなどせぬよう、よい夏を!

2015年1月17日土曜日

春のような日


今週ずっと暖かかったバルセロナ。昨日はお義母さんと海辺を散歩して、ぽかぽかの太陽の下でコーヒーを飲んだり、1月とは思えない春のような陽気でした。




水の中を歩いている人を見たら、真似したくなって・・・ 裸足になって歩いたら、本当に気持ちよかったです。海を前に行う気功やメディテーションは病み付きになりそうです。

そして夜は、Savallが率いる古楽アンサンブルによるBiberのプログラムを聴いてきました。
ザルツブルグミサなど、初めて聞く美しい作品たちにうっとり。モテットやソナタも面白かったです。演奏者の配置がきれいに左右対称になっていたのも、興味深かったです。



2015年1月12日月曜日

羽田空港より

成田着発でチケットを取ったつもりが、なぜか帰りが羽田発になっていたという思わぬハプニングがありましたが、途中、車窓からきれいな富士山が見えたので、よかったことにします。

あと少しで搭乗、ロンドン乗換えでバルセロナに帰ります。

2週間の滞在はあっという間でしたが、無事2公演を終えることができました。
多くの方にご声援いただき、そしてお越しくださいました皆様、どうもありがとうございました。お世話になりました関係者の方々、そして家族に感謝です。

1月7日 近江楽堂リハーサル
終演後に
1月10日 きらりホールリハーサル
フォルテピアノデュオ

バルセロナでは、まずDanziのホルンソナタ、そして月末から2月にかけて3つの本番がありますが、体調に気をつけて、ひとつずつ取り組んでいきたいと思います。

それでは、そろそろ搭乗ですので、この辺で。

2015年1月1日木曜日

迎春

明けましておめでとうございます。
バルセロナでクリスマスを過ごし、年末から帰国しています。
ヘルシンキからのシベリア上空で、美しい緑のオーロラを見ることができました。

昨夜はいろいろな音楽を聴きながら、家族揃って年明けマージャンを楽しみながら、新年を迎えました。1週間後の演奏会のため、練習に忙しいですが、今日は一日ゆっくりしています。


年越しには、久しぶりに母の天ぷらとお蕎麦を、おいしくいただきました。

新年も元気にスタート、まずは演奏会に向けて頑張りたいと思います。
7日(近江楽堂)、10日(きらりホール)両日ともまだチケットありますので、ご興味のあるかた、お声かけください。

それでは、本年も皆さまにとって平和で実り多い一年になりますよう、お祈りいたします。
今年もどうぞよろしくお願いいたします。