本人に快諾をもらったので、今回の自宅出産をお願いした助産師さんインマについて書きたいと思います。
インマはバルセロナ出身で2児の母、2人とも自宅で産んでいます。イギリスで助産師の勉強をし、その後イギリスの病院で働き約300のお産に立会い、現在はバルセロナでフリーの助産師として自宅出産に立ち会っています。バルセロナとその近郊ではこれまでに約200のお産に立ち会ったそうです。
初めて夫と一緒に彼女に会いに行ったとき、2時間みっちりいろいろ話したあと、「助産師選びはあの人が良いって言ってたからとか頭で考えるんじゃなくて、心に聞いてこれって思える人を。今日家に帰ってからゆっくり決めてもらえばいいから」といわれたのが印象的でした。帰宅後、夫も私も彼女にお願いしたいと思いました。
インマのことは、診療所や病院に勤める助産師さんの間でも知っている人が多く、「インマとなら安心ね」と太鼓判を押されました(笑)診療所の出産準備クラスを担当していた助産師さんは、彼女の講習を受けたことがあると話してくれました。
自宅出産を手がける他の助産師さんから、チームを組んで一緒に働かないかと言われることがあるそうですが、彼女自身が出産したときに、2人以上の助産師ではなく、1人に付き添ってもらいたいと思ったことが、一人で働いている理由だそうです。もちろん、人によって2-3人に付き添ってもらうほうが安心の人もいるでしょうし、1人のほうが親密感があって落ち着くという人もいるでしょう。
彼女の仕事がすごいなーと思うのは、まずお産はいつになるか分からないというところ。私など自分ひとりのお産だけでも、いつになるか分からずソワソワ落ち着かないのに、それが仕事だったらと思うと、よほどどっしり構えてないと出来ないだろうなぁと思います。確かに契約書には、お産が2件同じ日に重なってしまったり何らかの状況でどうしても立会えないときには、他の助産師を手配すると書いてありました。お互いに、そのように助け合っている助産師さんがいるようです。
これまでの彼女とのセッションでは、予定していた当日の朝5時台に、今出産に立会っているから違う日に会いましょう、とメッセージが入ったことが2回ありました。病院のように時間で交代もないし、日にちも時間も決まっていない。それぞれの赤ちゃんが「今」と決めたときが彼女の仕事時間。なんでも手帳に予定を入れて、予定通りに物事をこなしていくことに慣れた私たちにはちょっと想像がつかない壮大な仕事だなぁと思いました。
今彼女は夏季のため、車で1時間半ほどのピレネーの山の方にいて、必要なときだけバルセロナに来るのですが、面白いなぁと思ったのは、いつバルセロナにいるよと連絡をくれるのです。彼女の経験によると、そう伝えておくと安心するのか、偶然その日に出産になったりすることがあるらしいのです。
先週、バルセロナでテロのあった日は、バルセロナへの交通アクセスが遮断されたため、「今日はバルセロナに行けないから、お願い、出産しないでね~」とメッセージがありました。その数日後には、「今ひとつお産が終わったところで、長~い時間寝ていないので、今夜はゆっくり寝られたらうれしいです。トモコの赤ちゃん寝させてくれるかな。そうしたらまた元気に立会えます。8月に出産予定の人はあとトモコだけになったのでいつでも。」とメッセージがありました。
私はそんなメッセージを受け取ると、お腹の赤ちゃんに説明して、今日はまだゆっくりしててね~とか、今日はインマが寝られるように、私たちもゆっくり寝ようね~など、話しかけました。
これまでのセッションでは、妊娠中やお産中に起こりうる危険を含めた全てを、インマと夫と3人で細かく確認し、緊急時の対応などもしっかり復習して準備できました。
女性としてもプロフェッショナルとしても、とても尊敬し信頼できる彼女とのお産が楽しみです。
2017年8月23日水曜日
2017年8月22日火曜日
バルセロナの医療システムと妊娠・出産
バルセロナの医療システム、なかなか優れているのでご紹介します。
私たちは特にプライベートの保険には入っていないので、国の社会保険に入り、お給料から保険料が引かれる仕組みです。それによって医療費は全て無料、薬代だけ払いますが、処方箋があると格安になります。
市内の地区ごとに管轄の総合病院があり、その他、住民一人ひとりに割り振られた診療所がたくさん存在します。自分の住む地区により、かかる病院と診療所が決まっています。診療所とはいえ、診療科が何十もあるような総合診療所です。
病院と診療所の役割もはっきり分かれていて、一般診療は診療所の家庭医のところへ行きます。家庭医は担当が決まっているので、いつも同じ先生に診てもらうことになります。そして必要に応じて、家庭医が病院での検査やその他を手配します。家庭医の診療は予約をする必要がありますが、大体2日から長くても5日先くらいで取れ、オンラインで簡単にでき、キャンセルも簡単なので、私は、診てもらった方がいいかなぁと思うような時にはすぐに予約を取って、その後必要がなくなったらキャンセルしています。救急の場合は病院へ。
さて、妊婦検診について。
まず妊娠がわかったら診療所に行き、助産師の予約を取ります。基本、月に一度診療所の助産師の検診があり(うち一度は産婦人科医による検診)、その他、血液検査・尿検査(初期、中期、後期の計3回)、ブドウ糖負荷試験、GBS(B群溶血性レンサ球菌)検査など。病院では初期12週、中期20週(胎児スクリーニング)、後期33週の計3回のエコーがあります。日本に比べてエコーの回数は格段に少ないですが、必要最低限で無駄がなくて良いと思います。いつでも問題があれば病院の救急に行くよう指導されているので、心配もありません。
これらの検査結果はすべて診療所と病院間で共有されています。患者番号(カード)も共通なので、カルテも共有されています。住民一人ひとりをカバーする地域医療がしっかり成り立っていて、素晴らしいと思います。エコーの結果はその場で封筒に入った手紙を渡されます。これらは妊婦手帳と一緒に全て一つのファイルに入れて、いつ急に病院に行ってもいいようにまとめてあります。
出産する病院は、基本、地域の管轄の病院になります。違う病院を希望することもできます。その場合は、それまでの検査やエコーの結果などを自分で持っていけばいいです。私は自宅出産を選びましたが、すべての検査はそのまま最後まで診療所と病院で行いました。診療費、検査料、出産、手術をしても、払っている保険料でまかなわれるので全て無料です。その代わり?出産の入院期間は短く、産後48時間で退院(希望して問題なしなら24時間後も最近可能になったそう)、帝王切開でも4日目に退院だったと思います。
私はこの社会保険でとても満足していますが、それとは別に、プライベートの保険に入って、プライベートの病院にかかっている人もいます。以上、国の社会保険の医療システムについてでした。
私たちは特にプライベートの保険には入っていないので、国の社会保険に入り、お給料から保険料が引かれる仕組みです。それによって医療費は全て無料、薬代だけ払いますが、処方箋があると格安になります。
市内の地区ごとに管轄の総合病院があり、その他、住民一人ひとりに割り振られた診療所がたくさん存在します。自分の住む地区により、かかる病院と診療所が決まっています。診療所とはいえ、診療科が何十もあるような総合診療所です。
病院と診療所の役割もはっきり分かれていて、一般診療は診療所の家庭医のところへ行きます。家庭医は担当が決まっているので、いつも同じ先生に診てもらうことになります。そして必要に応じて、家庭医が病院での検査やその他を手配します。家庭医の診療は予約をする必要がありますが、大体2日から長くても5日先くらいで取れ、オンラインで簡単にでき、キャンセルも簡単なので、私は、診てもらった方がいいかなぁと思うような時にはすぐに予約を取って、その後必要がなくなったらキャンセルしています。救急の場合は病院へ。
さて、妊婦検診について。
![]() |
| 妊婦手帳 |
これらの検査結果はすべて診療所と病院間で共有されています。患者番号(カード)も共通なので、カルテも共有されています。住民一人ひとりをカバーする地域医療がしっかり成り立っていて、素晴らしいと思います。エコーの結果はその場で封筒に入った手紙を渡されます。これらは妊婦手帳と一緒に全て一つのファイルに入れて、いつ急に病院に行ってもいいようにまとめてあります。
出産する病院は、基本、地域の管轄の病院になります。違う病院を希望することもできます。その場合は、それまでの検査やエコーの結果などを自分で持っていけばいいです。私は自宅出産を選びましたが、すべての検査はそのまま最後まで診療所と病院で行いました。診療費、検査料、出産、手術をしても、払っている保険料でまかなわれるので全て無料です。その代わり?出産の入院期間は短く、産後48時間で退院(希望して問題なしなら24時間後も最近可能になったそう)、帝王切開でも4日目に退院だったと思います。
私はこの社会保険でとても満足していますが、それとは別に、プライベートの保険に入って、プライベートの病院にかかっている人もいます。以上、国の社会保険の医療システムについてでした。
2017年8月19日土曜日
自宅出産にむけて
一昨日はバルセロナで悲しい事件が起き、よく通ることのある場所で、とてもショックでした。被害に遭われた方とその家族に思いを寄せます。早く街に平穏が戻ることを祈るばかりです。幸いにも在宅だった私たちは無事にしています。
私は予定日まであと9日となり、2週間ほど前からいつ出てきてもいい正産期に入ったので、なんとなくそわそわしながら毎日を過ごしています。
自宅出産は以前から興味がありましたが、実際、今回の妊娠中は病院での自然分娩と自宅出産で、わりと遅くまで迷っていました。4月から週1で全24回の出産準備コースに夫と参加していて、いろいろな情報を知った上で、ようやく自分が一番納得できて、安心できると思える答えが出ました。自宅出産を引き受けている助産師さんにコンタクトしたのは、もう妊娠8ヶ月になっていました。
8月は休暇で仕事を入れない人もいますが、幸い彼女は問題なく、さらにまだ空きがあったので、経験豊富なベテラン助産師さんにお願いすることができました。月に3人以上は取れないそうで、8月は私が3人目でした。
彼女はバルセロナ出身でイギリスで学び、その後イギリスの病院で助産師として働き、その後、バルセロナでフリーの助産師として自宅出産を手がけています。その数はイギリスとバルセロナを合わせて、今までに500近い出産に立ち会ったそうです。
自宅出産の準備としては、36週までに4回彼女を訪ねた後、バースプランと契約書にサインをします。1回最低2時間、じっくりみっちり様々なことを聞き、また、血圧と脈、子宮低長の測定、胎児の心拍を聞いてもらいます。この4回のセッションは、普通は月1くらいでするそうですが、私たちは月2回ペースで行いました。その間に宿題のように読んだ資料はかなりの量でしたが、それについては別に書きたいと思います。
36週から産後彼女がもう大丈夫と判断するまでの期間、24時間体勢の対応になります。緊急でなくても、携帯メッセージで気軽に何でも相談できるのがとても心強いです。
36週までに、私たちは渡された出産準備品リストを整え、出産に備えます。これが結構忙しくて、私の仕事がほぼ休みになってから4週間となく、リストはもとより、家の片付けや大掃除、スペースの確保など、かなりぎりぎりまで間に合わなかったらどうしようと焦りました。もう大丈夫です。
そういうわけで、あとは赤ちゃんが「出る時」を決めるのを待っています。
私は予定日まであと9日となり、2週間ほど前からいつ出てきてもいい正産期に入ったので、なんとなくそわそわしながら毎日を過ごしています。
自宅出産は以前から興味がありましたが、実際、今回の妊娠中は病院での自然分娩と自宅出産で、わりと遅くまで迷っていました。4月から週1で全24回の出産準備コースに夫と参加していて、いろいろな情報を知った上で、ようやく自分が一番納得できて、安心できると思える答えが出ました。自宅出産を引き受けている助産師さんにコンタクトしたのは、もう妊娠8ヶ月になっていました。
8月は休暇で仕事を入れない人もいますが、幸い彼女は問題なく、さらにまだ空きがあったので、経験豊富なベテラン助産師さんにお願いすることができました。月に3人以上は取れないそうで、8月は私が3人目でした。
彼女はバルセロナ出身でイギリスで学び、その後イギリスの病院で助産師として働き、その後、バルセロナでフリーの助産師として自宅出産を手がけています。その数はイギリスとバルセロナを合わせて、今までに500近い出産に立ち会ったそうです。
自宅出産の準備としては、36週までに4回彼女を訪ねた後、バースプランと契約書にサインをします。1回最低2時間、じっくりみっちり様々なことを聞き、また、血圧と脈、子宮低長の測定、胎児の心拍を聞いてもらいます。この4回のセッションは、普通は月1くらいでするそうですが、私たちは月2回ペースで行いました。その間に宿題のように読んだ資料はかなりの量でしたが、それについては別に書きたいと思います。
36週から産後彼女がもう大丈夫と判断するまでの期間、24時間体勢の対応になります。緊急でなくても、携帯メッセージで気軽に何でも相談できるのがとても心強いです。
36週までに、私たちは渡された出産準備品リストを整え、出産に備えます。これが結構忙しくて、私の仕事がほぼ休みになってから4週間となく、リストはもとより、家の片付けや大掃除、スペースの確保など、かなりぎりぎりまで間に合わなかったらどうしようと焦りました。もう大丈夫です。
そういうわけで、あとは赤ちゃんが「出る時」を決めるのを待っています。
2017年7月2日日曜日
12の修士リサイタルもほぼ終わり
気がつけばもう7月!バルセロナは気温が落ちつき、湿度もなく過ごしやすい今日この頃です。
今学年末は学部とマスターあわせて12人の学生のリサイタルの伴奏をしました。来週に最後の1つを残すのみとなりました。5月から3つ、そして一番集中していたのが今週の7つで、それが無事に終わりほっとしています。
私事になりますが、8月に出産予定で、明日から妊娠9ヶ月に入り、妊娠前のようには自由にならない体で、何かと思い通りにならないこともありましたが、なんとかここまで来られて、無事に夏休みになりそうです。学生たちや教授らの理解と心遣いに恵まれ、感謝しています。
こちらでは特に出産前の産休はなく、体調次第で仕事ができなければ(普通の病欠と扱いが変わりますが)病欠になり、産休は生まれた日から16週間です。父親の産休は今までは2週間だったのが、今年の1月から法律が変わり1ヶ月まで取れるようになりました。1ヶ月はどっぷり3人生活をする予定です。
さて、話は戻りますが、昨日はクラリネットの学生の修士リサイタルで、珍しい楽器がたくさん登場しました。
左からモダンのバスクラリネット、シャロモー2種、コルノ・ディ・バッセット、クラリネット・ダモーレ。あ、ここにはいわゆる普通の古典クラリネットが写っていませんが、使用しました。
シャロモーはリコーダーにクラリネットの吹き口をつけたような楽器で、シャロモーのトリオではさらにアルトリコーダーサイズの楽器も登場。その他コルノのトリオなど、珍しい編成で様々な曲を聴くことができ、学生の解説もあり、1時間15分の楽しい時間でした。私は最初のヴィヴァルディ(オラトリオ「勝利のユディータ」よりユディータのアリア)と、最後のバックオッフェン(バッセットホルンとオーケストラのための変奏曲のピアノ伴奏版)のみの参加だったので、途中、演奏会を満喫しました。
終演後は、参加した学生たちと一緒に南米のアレーパを食べに。よく歩きました!
今学年末は学部とマスターあわせて12人の学生のリサイタルの伴奏をしました。来週に最後の1つを残すのみとなりました。5月から3つ、そして一番集中していたのが今週の7つで、それが無事に終わりほっとしています。
私事になりますが、8月に出産予定で、明日から妊娠9ヶ月に入り、妊娠前のようには自由にならない体で、何かと思い通りにならないこともありましたが、なんとかここまで来られて、無事に夏休みになりそうです。学生たちや教授らの理解と心遣いに恵まれ、感謝しています。
こちらでは特に出産前の産休はなく、体調次第で仕事ができなければ(普通の病欠と扱いが変わりますが)病欠になり、産休は生まれた日から16週間です。父親の産休は今までは2週間だったのが、今年の1月から法律が変わり1ヶ月まで取れるようになりました。1ヶ月はどっぷり3人生活をする予定です。
さて、話は戻りますが、昨日はクラリネットの学生の修士リサイタルで、珍しい楽器がたくさん登場しました。
左からモダンのバスクラリネット、シャロモー2種、コルノ・ディ・バッセット、クラリネット・ダモーレ。あ、ここにはいわゆる普通の古典クラリネットが写っていませんが、使用しました。
シャロモーはリコーダーにクラリネットの吹き口をつけたような楽器で、シャロモーのトリオではさらにアルトリコーダーサイズの楽器も登場。その他コルノのトリオなど、珍しい編成で様々な曲を聴くことができ、学生の解説もあり、1時間15分の楽しい時間でした。私は最初のヴィヴァルディ(オラトリオ「勝利のユディータ」よりユディータのアリア)と、最後のバックオッフェン(バッセットホルンとオーケストラのための変奏曲のピアノ伴奏版)のみの参加だったので、途中、演奏会を満喫しました。
終演後は、参加した学生たちと一緒に南米のアレーパを食べに。よく歩きました!
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