先週の1月6日、7日、イタリアは大雪に見舞われ、ミラノは40センチの積雪で1985年以来の記録的大雪だったそうです。私は、昨秋からコモ国立音楽院のチェンバロ科マスターコースに在籍していますが、そんな大雪の大混乱の中、今年は7日から学校が始まりました。
道にはまだ雪が残る中、11日(日曜日)はリハーサルのためベルガモに行って来ました。来月14日にフォルテピアノで私の教授と「モーツァルトと同時代女性作曲家」を取り上げた演奏会があり、モーツァルトの4手のためのソナタを合わせました。
教授のお家には、チェンバロ、クラヴィコード、そしてフォルテピアノが2台あるのですが、贅沢なことに、そのうちのオリジナルの1台でリハーサルさせていただきました!1803年ごろのものだそうで、やさしくて本当に美しい音でした。以前にも少し触らせてもらったことはありましたが、今回何時間もモーツァルトの音楽を弾いてみることができ、感動しました。なんとも言えない、とっても魅力的な歴史を感じる音がしました。
この楽器には、モダンピアノのように足で踏むペダルが6つ付いていて(確か)、左から2つ目が、押すと音が伸びる、いわゆる普通のペダルでした。また、演奏会に使う楽器は、1790年代のドゥルケンのコピーなので、ペダルは膝で使用するタイプの楽器です。楽器の中央に2つ付いていて、それをひざで持ち上げます。右が普通のペダル、左が弱音ペダルなので、4手のソナタを弾くときには、一つずつ担当します。この、膝で持ち上げるという動作は、はじめ慣れるのに時間がかかりましたが、だんだん自然に出来るようになって来ました。
チェンバロ科の第2楽器で、初期のフォルテピアノを触るようになりましたが、チェンバロとはまた異なる魅力があり、モーツァルトがとても新鮮に感じられます。昔、ピアノではモーツァルトを弾きましたが、モーツァルト以前のピアノのレパートリーといえば、バッハとスカルラッティくらいで、あまり総体的に知る機会がありませんでした。それが、チェンバロで200年以上にわたるモーツァルト以前のレパートリーに出会った後に、モーツァルトに再会したわけです。そうすると、モーツァルトの音楽言語が同時代のバッハの息子たちに似ていたりして、なるほどな!と思ったりするんです。
そんな新たな発見をしながら、楽しく準備に励んでいる今日この頃です。
追伸:今日はこれから、チェロのDaniel Muller-SchottとピアノのAngela
Hewittによる、ベートーヴェンとショスタコーヴィッチのチェロソナタや変奏曲を聴いてきます。
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