2017年8月22日火曜日

バルセロナの医療システムと妊娠・出産

バルセロナの医療システム、なかなか優れているのでご紹介します。

私たちは特にプライベートの保険には入っていないので、国の社会保険に入り、お給料から保険料が引かれる仕組みです。それによって医療費は全て無料、薬代だけ払いますが、処方箋があると格安になります。

市内の地区ごとに管轄の総合病院があり、その他、住民一人ひとりに割り振られた診療所がたくさん存在します。自分の住む地区により、かかる病院と診療所が決まっています。診療所とはいえ、診療科が何十もあるような総合診療所です。

病院と診療所の役割もはっきり分かれていて、一般診療は診療所の家庭医のところへ行きます。家庭医は担当が決まっているので、いつも同じ先生に診てもらうことになります。そして必要に応じて、家庭医が病院での検査やその他を手配します。家庭医の診療は予約をする必要がありますが、大体2日から長くても5日先くらいで取れ、オンラインで簡単にでき、キャンセルも簡単なので、私は、診てもらった方がいいかなぁと思うような時にはすぐに予約を取って、その後必要がなくなったらキャンセルしています。救急の場合は病院へ。

さて、妊婦検診について。

妊婦手帳
まず妊娠がわかったら診療所に行き、助産師の予約を取ります。基本、月に一度診療所の助産師の検診があり(うち一度は産婦人科医による検診)、その他、血液検査・尿検査(初期、中期、後期の計3回)、ブドウ糖負荷試験、GBS(B群溶血性レンサ球菌)検査など。病院では初期12週、中期20週(胎児スクリーニング)、後期33週の計3回のエコーがあります。日本に比べてエコーの回数は格段に少ないですが、必要最低限で無駄がなくて良いと思います。いつでも問題があれば病院の救急に行くよう指導されているので、心配もありません。

これらの検査結果はすべて診療所と病院間で共有されています。患者番号(カード)も共通なので、カルテも共有されています。住民一人ひとりをカバーする地域医療がしっかり成り立っていて、素晴らしいと思います。エコーの結果はその場で封筒に入った手紙を渡されます。これらは妊婦手帳と一緒に全て一つのファイルに入れて、いつ急に病院に行ってもいいようにまとめてあります。

出産する病院は、基本、地域の管轄の病院になります。違う病院を希望することもできます。その場合は、それまでの検査やエコーの結果などを自分で持っていけばいいです。私は自宅出産を選びましたが、すべての検査はそのまま最後まで診療所と病院で行いました。診療費、検査料、出産、手術をしても、払っている保険料でまかなわれるので全て無料です。その代わり?出産の入院期間は短く、産後48時間で退院(希望して問題なしなら24時間後も最近可能になったそう)、帝王切開でも4日目に退院だったと思います。

私はこの社会保険でとても満足していますが、それとは別に、プライベートの保険に入って、プライベートの病院にかかっている人もいます。以上、国の社会保険の医療システムについてでした。


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