2013年11月16日土曜日

8人の生徒さん♪

11月も半ばになり、バルセロナもいよいよ冬を感じる冷たい空気になってきました。
かなり突然だったのですが、毎週金曜日の午後に、郊外の学校でピアノを教えることになり、昨日、第1日目を過ごしてきました!

バルセロナから車で45分ほどの、Torderaという町の学校です。大人と子供と半々の計8人に、30分ずつのレッスンをしました。子供は5歳から11歳まで、大人は60代くらいの方までいました。

当たり前ですが、本当にみなそれぞれ異なり、一番最初の年配の男性は、部屋に入るとまず一通りこんなことしてる、あんなことしてる、とお話してくださったので、丁寧に曲について話を振ってレッスン開始。30分はあっという間だなぁと思っていると、突然「じゃ、今日はこの辺で。次の人も待っているし」と満足そうに言って、パタンと楽譜を閉じてしまったので、私はあっけにとられて時計を見ると、まだ3分前!!でも、おじさんは帰る支度をしているので、そのまま挨拶をしました(笑)

7歳の女の子は、まだ始めたばかり。前のレッスンで弾いた曲を何か持ってるか聞くと、ないと言うので、幼児用の教本を使って、真ん中のドの全音符を4つ数えながら、4回親指で弾くものから始めました。できるようになったら伴奏を付けます。これがまた凝ったハーモニーで、素敵でした。あとから聞けば、この子はまだ家で練習する楽器がないので、とりあえず、今はレッスンでピアノに慣れればいいとのこと。なるほど、のんびりです。

あと印象に残っているのは、5歳の男の子。ノリが悪いと何もできなくて大変、と聞いていたのですが、うれしそうにきれいな楽譜をファイルから出して、ニコニコ!「前のレッスンで弾いたの見せて~」というと、またファイルの中を探しているので何かと思ったら、先生からの連絡事項が書いてあるページを見せてくれて、「新しい本!」と満足げ。確かにメッセージに、本を買うように書いてありました(笑)とりあえず、同じく一番最初の全音符の練習から始めると、けっこう速くどんどんできて、「うまくできたね~」「うわ~すごいきれいな音だねぇ」「好き?」などと話しかけると、大きな目をパッチリ開けて「うん!」とニコニコ笑顔で返してくれて、もう私は幸せでノックアウトでした。

一番最後の男性は恥ずかしそうに、緊張してしまうこと、上手く弾けないこと、ゆっくりしか弾けないから、などいろいろ説明をしてから、不安そうに弾き始めました。半小節ごと止まってしまって、ペダルは最初から一度も踏みかえてないし、どこで止めようかこっちもハラハラ。明らかに曲がレベルに合っていないし、まず本人が辛そうなので、その曲を最後まで弾きたいのか聞いて、そうでなければもう少し苦労が少なく、楽しめる曲にしましょうか、と提案。すんなり納得してもらえたので、何か彼に合った曲を探したいと思います。

30分という短い時間ですが、それぞれにドラマがあり、一人一人のこの30分の意味を考えさせられました。最初のおじさんは、ああして少しお喋りして、ちょっと曲を弾いて、アドヴァイスをもらえればいいのだし、小さい子はいかに30分飽きずに楽しく勉強できるかがポイントのように思われたし、最後の方は、趣味としていかに楽しんでもらえるかを考えたい・・・と切実に思いました。帰りの車中でそう話すと、「そうそう!まさにその通りその通り!!」と言ってもらえたのでとりあえず安心しました。

普段の日常生活では小さい子に接する機会はないので、本当にかわいかったです。そして、私も幼児期に使っていた、懐かしのメトードローズに再会したのも感動的でした!帰宅後、夫に話したら、「メトドローザ!僕も弾いてたよ」と驚きが続きました。

また次の金曜日が楽しみです。次は、一度も笑ってくれなかった真面目な女の子の笑顔が見られるかなぁ。

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