2012年7月13日金曜日

演奏会

ジローナ

10日と11日の演奏会が無事終わりました。
聴きに来てくださった皆さん、どうもありがとうございました!

モーツァルトのトリオは、どういうわけか本番が近くなって突然あるパッセージが弾けなくなり、心配だったのですが、当日はそのパッセージも突っ掛からずに成功、ヴァンハルのソナタ共に仲間と最大限にオペラ・ブッファの世界を楽しむことができました。

翌日のジローナの演奏会は、会場が半分外という感じで、リハーサル中に蚊に刺されまくり、うっかりしました。私たちの控え室は完全に外で、これもまたなかなか出来ない経験でした。リコーダー奏者のお母さんに虫除けスプレーを持ってきてもらったので、本番は大丈夫でした。次からは、虫対策もしっかりします!

半外の会場、調律風景

さて、虫以外にも予期せぬハプニングがあり、なんと終盤で停電!一番最後の曲の1楽章を演奏している時でした。その辺一帯の停電だったようで、すぐに戻らず、スタッフがろうそくの灯りをたくさん持ってきてくれて、さらに携帯電話のアプリで楽譜を照らして、あるお客さんが私のためにずっと後ろで立って照らし続けてくれました。後から、リコーダー奏者の生徒さんの親御さんだったと知りました。それにしても、ハプニングのおかげでお客さんとの一体感が一気に高まり、またとない素敵な演奏会となりました。


普通の演奏写真は、ホームページに載せますので、そちらもどうぞご覧ください。

それではみなさんも、良い週末を!
私たちはちょっと息抜きに、1泊でTarragonaに行ってまいります!

2012年6月30日土曜日

夏至のお祭り「サン・ジョアン」


突然に頼まれたコンクールの伴奏(ベートーヴェンのピアノとチェロのためのソナタは伴奏じゃなく、これが一番大変なのですが)の仕事で、譜読みと練習で大焦りの今日この頃ですが、7月になってしまう前に先週末のお祭りのことを書いておきます。

先週の土曜日23日の夜は、カタルーニャで盛大に行われる夏至のお祭りがありました。
その日は昼間からいたるところで爆竹の音が聞こえ、夜には街中で花火が上がり、私たちは夕食のあと近くのビーチに行って、夜中の1時ごろまで1時間半ほど美しい花火を満喫しました。

バルセロナの海岸沿いの方々で上がっていたので、見るのも忙しいくらい華やかで、延々と続いていました。



まだまだ見ていたい気持ちの中、それでもかなり体が冷えてしまったので引き上げました。家に帰ってからも外は花火や何かの爆発音が続き、明け方までなかなか眠れない夏至の夜でした(笑)Nit del foc (火の夜)という、まさしく名前どおり!

夕方から街の中心部から火を持った行列が出発して、市内の各地へ持っていかれると聞いていたのですが、私たちの住むポブレノウにもやってきました。

 
ちょうど夕食をとっていた外のテラス席の横を通過!かなりブレてますが、雰囲気は伝わるかな。リズミカルな音楽と火の行列でした。そして皆の真似をして夫も花火を購入、夜ビーチに持っていって噴水のような花火をふたつ楽しみました。

2012年6月3日日曜日

週末は・・・

今日の日曜日はうちでのんびりしています。
ブログを書いたり、撮った写真の整理をしたり。これってすごいリラックスになります。

昨日は12時からトラヴェルソの友達の卒演があり、C.P.E.バッハのトリオを弾いてきたので、朝からバタバタ。この時代にぴったりのフォルテピアノで演奏。ハンマーに革が付いていないので、チェンバロとピアノの中間のような独特の音色が、とても興味深かったです。 C.P.E.のソナタなんかをこの楽器で弾いたらそれはそれは素敵だろうなぁと思いました。いつか楽譜を持って部屋に忍び込んでみようかしら(笑)





ヴェネツィアから戻ってすぐにスペイン語の試験があり、昨日のためのリハーサルやM.アンタイのレッスンなどが重なって、何を隠そうかなりバテバテ状態であります。

昨夜は友人を呼んで夕食。夫が久しぶりに腕を振るい、彼の得意料理メランザーネ・アッラ・パルミジャーノを作ってくれました。私は付け合せのブロッコリーを茹でたり、ブルスケッタ用のトマトソースを作ったくらい。最近、任せるときは思い切って任せて、台所から出ているくらいの方がスムーズに行くことを学び(笑)、実行中です。


 

こちらは前菜。さりげなくハムを一枚ずつふんわりとカッコよくお皿にのせていくなどは、私には真似できません。やっぱりこれは文化でしょうね~ 夫の希望で、ブロッコリー用に「味噌マヨ」ソースを作ったのですが、これは初めて試した友達(ちなみにアメリカ人とポルトガル人)からも大好評でした。このソースは母がいつも作っていたもので、昔八百屋さんから子供が美味しく野菜を食べられるよ、と教えてもらったとか。味噌とマヨネーズ1:3に砂糖も加えるので、確かに甘くて美味しいのです。

メインの前に前菜でかなりお腹一杯でしたが、久しぶりに夫の手料理を満喫、その後は家の目の前の広場に出て4人で30分ほどフリスビーで腹ごなしをしてから、ちゃんとデザートまでいただきました! 

さて、今週はスペイン語の会話と作文の試験が残っているので、頑張りますぞ。


2012年6月2日土曜日

ヴェネツィアの5日間

夕暮れ時のサン・ジョルジョ島
先週の木曜日、朝に受け取った一通のメールが発端で、突然ヴェネツィアに行くことになりました。今日の午後3時の飛行機でヴェネツィアに来られるか?という内容にはさすがに驚きましたが、その後のやり取りで、予定していた通奏低音奏者が急に来られなくなったことや、サン・ジョルジョ島のチーニ財団で行われているフランスバロック音楽のセミナーでの伴奏と演奏会という大変魅力的な仕事であることを知り、二つ返事で引き受けました。

何件か入っていた他の予定を丁寧にキャンセルして、時計とにらめっこしながら荷造りと、バンバン送られてくる楽譜の印刷を時間ぎりぎりまでして、空港へ向かいました。アメリカ出張中で翌日戻る予定だった夫には、これからヴェネツィアに行って火曜日に戻るとメールをして!

ヴェネツィアに飛行機で入るのは初めてで、空港から市内までの1時間15分の船の旅は長かったけれど、晴天のもと潮風に吹かれながら気持ちよかったです。

セミナーの会場
毎朝9時から楽器の調律をはじめ、声楽の奨学生2人とヴェルサイユ・バロック音楽研究所の少年少女合唱団の4人の子供たち、ヴェネツィアの合唱団の子供2人とともに、ぐるぐると順番に私たちは夜の7時まで演奏しているという実に密な5日間でしたが、ヴェルサイユの子供たちの歌声の美しかったこと!忘れられない経験になりました。


パッラーディオによる美しい宮殿と中庭


演奏会場となった階段

28日の演奏会は、中庭に面した美しい階段が舞台となり、クレランボー、シャルパンティエ、カンプラなどの作品を演奏しました。

ヴェルサイユの子供たちと、夕食のレストランで
彼らの美しい声は本当に素晴らしく、完璧な音程と大人顔負けの音楽表現に脱帽。聞いてみたら、週末と水曜を除く週4日間、一日4時間の練習をしているそうです。喉を冷やさないようにスカーフや上着の着用、必要以上に起立した状態でいない、など細やかなケアのもと、完全にプロフェッショナルな声楽家たちでした!まんまりかわいいので、一緒に撮ってもらった記念の一枚。

言葉は主にフランス語と英語で、その他話す相手によってイタリア語やスペイン語、そしてドイツ語も飛び交うという、頭が壊れるかと思うくらい刺激的な日々でした。フランスバロックにどっぷり浸かった4日間、素晴らしい仲間と先生方と共に、貴重な経験となりました。

おまけ:お手洗いに入った瞬間の景色、あまりの驚きに撮ってしまいました!

2012年5月22日火曜日

合唱をはじめました


今月できたばかりのバルセロナの「アジア合唱団」で歌い始めました。
アジアの歌を原語で歌うのが目的で、プロ・アマ問わず、超多国籍の歌好きが集まった80人ほどの合唱団です。スペイン人は全体の2割くらいかなぁ。

練習は毎週月曜日の夜8時から9時半で、夫もちょうど来られる曜日だったので一緒に参加しています。昨日で3回目でしたが、これまでに、韓国、中国、日本の「さくら」、そしてアジアではないですがプッチーニの蝶々夫人の「言葉なしの歌」を始めました。一曲ずつ仕上げるのではなく、数曲を同時に少しずつ譜読みしていくのが面白いです。

圧倒的に男性が少ないので、まずは3声の作品からスタートしています。私はアルトパート。昨日、はじめてきれいなポリフォニーを聞くことができて、とても美しかったです。

夫が合唱団で歌っているのに感化されて、合唱っていいなぁ、やってみたいなぁと思っていたところ、ちょうどよい機会が訪れました。 

これから更に、インド、バングラディッシュ、イランなど、かなり広い範囲のアジアの歌を取り上げるそうで、とても楽しみです。それぞれの国出身の仲間が発音を教えてくれるので、音の持つ異文化にぐっと一気に引き込まれるような感覚がたまらないです。

指揮の先生は、バルセロナ国立音楽院で教えている先生で、中国語を話すという、とてもアジアに興味のある人のようです。気さくでとても素敵な先生です。


練習会場のカサ・アジア。 遠くからでも目に留まる美しい建物です。
スペイン語を始めてから、スペイン語と日本語の交流会に参加したのがきっかけで知りました。アジア諸国の文化交流を図るための教室各種や映画放映など、様々な催し物があります。5月からは大震災1周年で、震災を扱ったドキュメンタリー放映会が毎週土曜日にあり、できる限り足を運んでいます。



モザイクが美しい内部




2012年5月15日火曜日

初めての乗馬!!


先週末は一泊で乗馬体験をしてきました!

レンタカーを借りて、バルセロナ市内から北に1時間ほどドライブして郊外のViver i Serrateixへ。本当にここであってるのかな、と思うくらい何もない田舎道を進んでいくと、馬のいる建物に到着しました。


まずは、みんなで馬の手入れから。
毛並みを整えて、毛やしっぽを梳かして、私と夫はSuperという名前の白い馬を担当しました。どんどん愛着がわいてきて、話しかけながら作業しました。

そして、体重に合わせてそれぞれ乗る馬を決めてもらい、馬の名前と性格を説明してもらいました。この子は気が散りやすいからみんなの真ん中で、とか、この子は草をいっぱい食べるからなるべく食べさせないように、とか、個性があって面白い。乗り方や手綱の持ち方、止まり方や歩き始める方法などを教わってから、一人ずつ乗って、いよいよ出発!


私の乗ったのはドゥーナという白い馬。特に注意点はなかったけれど、しょっぱなからむしゃむしゃ草を食べてて、道中(食べるのをやめさせるために)思いっきり手綱をひっぱって進まなければならず、手が痛くなりました・・・ 「トモコ、強くひっぱって!」と指示されるのですが、もうこれ以上引っ張れないというくらい、馬の首の力は強かったです。


でも、自然を満喫しながら、ドキドキわくわくの乗馬体験は、とても楽しかったです。
お散歩も終わりに近づいたころ、草を食べていたと思ったドゥーナが急に動いて、一瞬落とされそうになって、悲鳴を上げて必死に馬の首にしがみつくという怖い思いをしましたが、自分はパニック状態で何も覚えていません。怖いと思ったのと、バランスを崩したせいで脇の筋が痛かったことのみ。落ちずに済んでよかったです。



夜には久しぶりに空いっぱいに溢れる星を満喫、夜中鳥たちのさえずりに包まれて、豊かな自然に癒された週末でした。やっぱり自然はいいなぁ。

2012年4月23日月曜日

今日は「本の日」サン・ジョルディ


今日はサン・ジョルディ、本の日です。
カタルーニャでは男性がバラを、女性は本を贈るという伝統があります。

去年は特に何かをお互いに贈りあうこともなかったしなぁ・・・なんて思いながら朝、語学学校へ行くと、途中で道一杯に本やお花を売る屋台が出ていて、にぎやかでした。

クラスでは先生が皆に早速、「お花を贈った?お花をもらった?」と質問するのですが、さすがにまだ朝の10時、とりあえず語学学校に行ってから午後に考える、という人が多かったようです。

セルバンテスとシェークスピアの没年が共に1616年の4月23日であることなどから、ユネスコが本の日に認定しているそうです。(先生談)

今日は本の日にちなんで、クラスでは本に関するミニ・プレゼンテーションがあり、それぞれ自分の国の有名な作家、好きな作家について5分ずつほど発表しました。

私は夏目漱石と「吾輩は猫である」について準備。ウィキペディアの日本語とスペイン語に目を通して、言いたいことを短くまとめて、最後に見せたらウケるかなと漱石が印刷されている千円札を持参して、無事に発表できました!先生には事前に、丸暗記はダメ、書いたものを読み上げるのもダメ、といわれていたので、確かになぁと思いつつ、これはちょっと練習した方が良さそうと思い、友達と夫を相手に、何度かリハーサルをしました。

学校の小さな本の売店では、今日に限り10%オフだったので、記念にコースが奨励する本を購入しました。そして家に帰ると、お昼に帰ってきた夫が何だか一瞬かしこまったので、何かまずいことでもあったのかと思いきや、バラをくれました。み~んながしてるから真似してるだけと分かっていても、やっぱりうれしいものですね。ありがとう。

4ヶ月のスペイン語コースも残すところあと1ヶ月ちょいになり、最終試験がちらついてきました。時々クラスであるミニ試験の出来が思った以上に悪くてめげたこともあるけど、最後まで頑張ります!!

2012年4月15日日曜日

ロマン派との再会


最近ロマン派の作品に夢中になっています。
友人の卒業演奏会でシューマンやシューベルトのリード歌曲を演奏するために、学校にちょくちょく通ってはフォルテピアノをさらってきました。

この時代のフォルテピアノを触るのは初めてで、下にある木のペダルをおっかなびっくり使い、ヒストリカル・クラリネットのコッポラ先生のレッスンで、「トモコ!そこはソルディーノ!」と突然言われてどれを押していいのか分からずにパニック、なんて情けないこともありました(汗)

毎回、触るたびに新たな発見の連続で、どんな音がでるか、感触と出る音がだんだん繋がっていくようで、本当に面白い。そして何よりも、もう思い出せないくらい昔(13年以上前のことです)に弾いていたロマン派の世界はあまりに新鮮で魅力的で、リハーサルのたびに歌のラインの美しさと時代独特の和声の美しさに鳥肌ものでした。

イタリア留学時代に、はじめてモンテヴェルディの音楽に出会ったとき、その和声の世界に鳥肌が立ったのと同じような感覚でした。

私は、何でも始めての出会いが好きです。
演奏会などでも、自分のよく知っている曲が聴きたいと思う方が多いようですが、すごく不思議です。自分の知らない世界、知らない音楽に触れてみる方がずっと面白いのになぁと。

ピアノ時代にロマン派の作品を弾いていたとは言っても、室内楽の経験はありませんから、とても新鮮でものすごく惹きつけられました。歌手と同じように呼吸をして演奏するのが、最大の醍醐味かもしれません。

そんなこんなで、目下、ロマン派の音の世界に夢中な私でありますが、明後日、無事弾けるように頑張りたいと思います。何を隠そう、ペダルの使い分けが不安であります。シューベルトの岩の上の羊飼いでは、パーカッションのペダルも使うので、とにかく冷静に集中して実行するのみです!