2014年2月2日日曜日

かまがや木楽の家・第3回コンサート


昨日、暖かな光が差し込む中、午後2時より「チェンバロ 名曲のひととき」かまがや木楽の家・第3回コンサートが行なわれました。

バッハ、クープラン、スカルラッティの作品を、お話を交えながら演奏しました。今回、クープランの第6オルドル(全8曲)を演奏した際に、全体の説明の後、1曲ずつタイトルを言ってから弾いてみました。表題のついた作品を、より豊かなイメージとともにお聴きいただきたいという気持ちから、試してみたところ、「とても分かりやすかった」、「タイトルを言ってもらったのが良かった」などの感想をいただき、好評だったようです。

私も演奏会に行って、初めて聞く曲が何曲もずら~っと続くと、そのうちに今何が演奏されているのか分からなくなることがあります。それが、タイトルと音楽が特に強く結びついた作品では、とてももったいないなぁと思うので、試してみてよかったと思います。毎回、いろいろ勉強になります。


チェンバロの構造について、実際にジャックを取り出してお話したり、小さな会場ならではの演奏会になるよう心がけました。地道にチェンバロという楽器を広めていければ、とてもうれしく思います。

終演後もたくさんの方から質問があり、楽器も触っていただいたり、感想を伺ったりと、いろいろな交流ができました。


そして、第5回コンサートの打ち合わせと音出しもしてみました。9月20日(土)、ヴィオラ・ダ・ガンバの品川聖さんをお招きして、バッハのガンバとチェンバロのためのソナタ全3曲を演奏します。すでに何名かご予約もいただきました!どうぞお楽しみに!これからもこのコンサートシリーズ、細く長く続けて行きたいと思います。 第4回は「祈りつつ」、4月13日(日)テノールの長尾譲さんがピアノ伴奏で、フォーレやシューベルトなど歌われます。
 

2014年1月27日月曜日

東京公演終わりました!

26日、おかげさまでHakuju Hallでの演奏会も無事終えることができました。 

リハーサルでは正常だったチェンバロのレジスターが本番で全く動かなくなるという、汗&焦なハプニングもありましたが、ポーカーフェイスで乗り切りました!コンクールで、4フィートが入ったまま曲を弾き始めてしまって、取ってから弾き直したことなどはありますが、さすがにレジスターが動かなかったのは初めてで、すごい経験でした(笑)これもまた経験ということで。

チェンバロは本当に繊細なもので、実家のチェンバロも半年ぶりに弾き出したら、爪がボキボキと見事に折れて、1ヶ月足らずですでに5つ換えました。でも楽器はどんどん鳴るようになって、やっぱり生きているんだなぁと実感しています。楽器は本当は毎日弾いてあげるのが一番ですが、少なくとも帰ってきた時にはこうしてかわいがっています。

演奏会の写真はないので、いただいたお花の写真を。バラの甘い香りにうっとり♪


昨日は、イタリア人カウンターテナーのロベルト・バルコーニ氏のマスタークラスを聴いて来ました。ミラノ留学時代に室内楽などでお世話になった先生で、何年かぶりのうれしい再会でした。そして、レッスンの面白かったこと!自由な語りと音楽。私は歌手ではないですが、本当にイタリアバロックの歌曲が好きなんです。それを改めて感じた幸せな午後でした。

さて今日はチェンバロのピッチを440から415に戻して、調律も変えて、週末のソロプログラムに向けて練習再開しました。体調管理に気をつけて、あと2公演頑張って参ります!



2014年1月9日木曜日

2014年スタート!!




新年おめでとうございます。
健康に恵まれ、平和で実り多い一年となりますよう、お祈り申し上げます。

大晦日に帰国し、新年1日2日は南房総へ家族旅行に行ってきました。
スペインではすぐ2日から仕事始めですが、やっぱり日本のお正月は落ち着きますね~今年はちょうど土日もあり、家族とゆっくりできました。

さて、明日あさっては仕事始め、クープラン講座です!
明後日(土)14時からの講座はまだ余裕があります。下記へご予約のうえ、クープランの名曲を聴きにふらっとお立ち寄りください。

問合せ 桑形 03-5363-1307 または kuwagata@alto.ocn.ne.jp

1月25日、2月1日、8日と演奏会が続きますので、頑張って参ります!
本年もどうぞよろしくお願いいたします。
 

2013年12月29日日曜日

初めてカリヨンを聴きに!

Palau de la Generalitat de Catalunya

コンサート聞き納めで、もう一つ、26日に聞きに行った演奏会がありました!
お昼の12時から、バルセロナ市役所の向かいにある建物で、約1時間のカリヨンの演奏を聴きました。ここのカリヨンの専属の女性カリヨニスタによる演奏は、毎月聴くことができ、26日はクリスマスにちなんだプログラムで、カタルーニャと外国のメロディーを楽しみました。

椅子が並べられた中庭で聴きます

画面で演奏する様子が見られます
オルガンのように手と足を使って、演奏していました。全部で49の鐘があるそうです。打ち方で強弱もつけられるようで、とても音楽的でした。


あまり良くみえませんでしたが、靴下のみの素足のようでした。毎月演奏会があるのは知っていたのですが、今回やっと聴くことができました。来月のプログラムは、バッハのアンナ・マグダレーナ・バッハの音楽帳から組まれているなど、とても興味深いシリーズです。

8月を除いて、毎月1回あり、7月にはバルセロナ国際カリヨンフェスティバルもあるので、またぜひふらっと行ってみたいと思います。



今年のコンサート聞き納め

年末、機会が重なり、素晴らしい演奏会を聞くことができました。

まずは、21日ベルリオーズの「キリストの幼時」。パブロ・ゴンザレス指揮、カタルーニャ州立バルセロナ交響楽団と2つの合唱団による演奏。アウディトーリのパウ・カザルス大ホールにて。
L'Auditori, Sala1 Pau Casals
初めて聴いた作品ですが、メロディーの美しさに感動、オーケストラと合唱の溶け合いと力強さが素晴らしかったです。90分を超えるキリストの物語りが、休憩なしで、フランス語で展開されました。

翌22日は、バルセロナのアントン・ブルックナー室内合唱団と金管オーケストラによる、ブルックナーのホ短調ミサを聞きました。
Església de Nostra Senyora de Pompeia
音楽ホールでは味わえない、教会の響きを堪能しました。ブルックナーは、合唱団で歌っている夫に出会ってから、作品を聴く機会に恵まれて、ブルックナーの声楽曲のファンになりつつあります。このミサ曲も冒頭のキリエが60人の合唱団により大音量で叫ばれただけで、その和声と人の声の持つエネルギーに、目頭が熱くなりました。音楽のパワーってすごい。まさに私のドラッグです。

教会の響きが加わって、信じられないほどの迫力に圧倒され、全身にガンガン音楽が響いて、手には振動が伝わってきました。その力強さと繊細なピアノの強弱のコントラストにもぐっときました。ブルックナーの作品と素晴らしい演奏の合唱団に、完全にやられました。

そして26日は、Sant Esteveの休日。夫の歌うオルフェオ・カタラ合唱団は、毎年この日にカタルーニャ音楽堂でSant Esteveのコンサートをしています。クリスマスはイタリアに帰っていたためいつも参加できなかった夫ですが、今年は初めての参加となりました。


Palau de la Música Catalana

1913年から続くコンサートの100周年だった今年は、オルフェオ・カタラ合唱団を中心に、俳優さん2人が曲間に会話を挟み、カタルーニャの歴史などをリズミカルに語っていたようです。オルフェオ・カタラ合唱団は、5歳くらいの小さな子供から少女合唱団など、全部で6種類の合唱団があり、さらにカタルーニャ音楽堂の室内合唱団が加わり、ものすごい数の合唱でした。

プログラムは主にカタルーニャの作品で、100周年もあり、祭典のような華やかさと、カタルーニャ州民の熱い思いが伝わってくる、いろいろな意味で感動的な演奏会でした。

プログラム最後に歌われたパウ・カザルスのグロリアの歌詞が心に残ったので、ここに書きます。

主に栄光を!歌おう!
高みの中の栄光!
主と全ての創造物に栄光を!
土に平和を!
戦争はもう二度といらない!
罪はもういらない!
善人に平和を!
平和を!

今年もたらされた新たな出会いに感謝しつつ、平和と健康に恵まれた2014年でありますように。よいお年を!

2013年12月24日火曜日

学校からの頂き物

11月からピアノを教え始めた学校も、冬休みに入りました。
発表会とクリスマスコンサートを無事に終え、先週、今年最後のレッスンに行ってきました。


クリスマスコンサートのリハーサル
生徒の伴奏で、本当に久しぶりにピアノを弾くことになり、クリスマスコンサートではグランドピアノを恐る恐る15年ぶりに人前で弾きました。思っていたほどの違和感はなく、不思議と少しずつ感覚が戻ってくるようでした。

このような小さな学校で、3ヶ月に一度、400席のホールで子供たちが演奏する機会があるのは、すごいことだと思いました。正直、イタリアのコモ国立音楽院にも、バルセロナのカタルーニャ高等音楽院(Esmuc)にも、こんなホールはないです!


そして、レッスン最終日には、なんとクリスマスプレゼントがありました!!
カバ(カタルーニャで生産されるスパークリングワイン)と赤ワイン、そして感謝のお手紙も。はじめてのことで、本当にうれしかったです。職場仲間によると、スペインでは、このようにプレゼントをする習慣があるそうです。



赤ワインは、明日のクリスマスのお昼(メインはハムとマッシュルームとベシャメルのクレープ)に合わせて開けようと思います。カバは実家にお土産の予定です。

それでは皆様も素敵なクリスマスを!!Bon Nadal!!


2013年11月30日土曜日

トルデラまでの車窓から


昨日は、トルデラまで電車で行ってきました。あいにく国鉄のストの日に重なり、情報収集など手間取りましたが、結局私が乗った電車は、行きも帰りも影響を受けずに助かりました。

フランスに向かって海岸沿いをずっと走り、内陸に入ったのは、1時間半のうち最後の15分だけでした。



時々、本当にすぐ近くに海が迫ってくるようで、見ていて飽きませんでした。本も少しは読みましたが、それは夜で何も見えない帰り道にとっておいて、暖かい日が差す窓の近くで、ぼーっと景色を眺めていました。


駅から15分ほど歩く途中で、こんな景色に出会いました。見えているのがトルデラの町です。 



トルデラ川の向こうには山が見えました。


学校のバルがリニューアルオープンしていました!電車は1時間に1本しかなく、少し早めに着いたのでコルタードにお砂糖を入れて一服。昨日は3人お休みだったので、途中でもう一度行きました(笑)

来週は祝日でお休み。再来週には3ヶ月に一度の発表会とコンサートがあります♪



2013年11月23日土曜日

ピアノの先生2回目

Teatre Clavé

昨日は2回目。写真を撮る余裕もあったので、今日は写真入りです。(1回目の様子はこちら
学校があるTorderaの人口は約1万6千人、標高はたったの30数メートルなのに、バルセロナより明らかに空気が冷たいです。

クラベ劇場という名前の学校は、音楽以外にダンスや演劇のコースがあります。現在、第9回「乳幼児のための国際舞台芸術フェスティバル」!の開催中で、この小さな町の劇場でも公演があります。パラパラとパンフレットをめくると、バルセロナを含むカタルーニャ各地の劇場で、カタルーニャやスペインはもちろん、ベルギー、デンマーク、イギリスからの参加があり、0歳から5歳が対象の様々な舞台芸術が展開されています。すごいなぁ。

さて、2回目のピアノレッスンも無事に終わりましたが、いろいろありました。

ある女の子は、教室に入るなり小さなリュックから何かを出して、「ボカディリォ(サンドイッチ)食べるの」と言って、食べ始めました。「食べてもいい?」とかだったら止めることもできたかもしれないけど、いきなりの展開に戸惑う私。学校の規則も聞いてないし、その子に特別な健康上の理由があるかもしれないし、とにかく判断に困って、楽器が汚れないように配慮して、なるべく早く食べ終わるように促して、待ちました。

食べてる間、今日はヘ音記号を習ったことなどを教えてくれました。やっとレッスンにこぎ着けたのですが、いきなり「これを2回弾いたら(記号を)黒板に書いていい?」と聞かれて、これまたびっくり(笑)まぁ、音楽に関係することだしと思って、いいよと言うと、ちゃんと2回弾いてから、嬉々としてト音記号とヘ音記号を書いていました。レッスンが終わってからもまた書いてました(笑)書きたくてしょうがなかったのね。ちゃんと自分から消して帰りました。


帰り道にサンドイッチの話をして、どのように対応したらいいか聞くと、やはり教室内で食べるのは禁止。レッスンの前か後に食べるように言って、どうしても食べるなら教室の外で食べるようにとのことでした。納得です。「とりあえず君の判断は正しかったよ」と言われたのでよかったです。

日本や日本人相手だったら考えられないような展開に毎回びっくりさせられますが、何事も経験ですね。面白いです。日本でもこんな経験あります!という方、興味あるのでぜひコメントください!

昨日は2人お休みだったので(というか、来なかったので^^;)、楽譜を見たり、学校内を見たりしました。やはりメトードローズが気になって、スペイン語版を見てみました。



なんと一番最初に、スピネットとチェンバロとフォルテピアノの解説があるのです!!これは運命だったのか、何ともいえないうれしい気持ちになって、写真を撮ってしまいました。